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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
小松和彦/飯倉義之 監修
全ページフルカラーで日本の妖怪を紹介
妖怪。万物に霊魂が宿るという、日本人の多くが共有する「アニミズム」の感覚を基盤とし、世界に類のない「姿かたちや名前のバリエーションの多様さ」を獲得するに至った「怪異」の総称である。古来、日本人はそのような怪異を恐れると同時に、深く愛してもきた。
本書は、そんな日本の妖怪を通覧する、全ページフルカラーのムック本。
冒頭から映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の紹介に始まり、故・水木しげるによる美麗なる妖怪画廊に続いて、室町時代や江戸時代の妖怪画と、ここまでが口絵。後は年代順に、古代、中世、そして江戸時代の、それぞれの妖怪が豊富な図版で紹介される。中世の章では室町時代の『百鬼夜行絵巻』や『付喪神絵巻』といった絵巻物、謡曲や歌舞伎に登場する妖怪が採り上げられ、江戸時代の章では、当時の世を席巻した妖怪ブームの様相が、珍しい資料とともに紹介される。『稲生物怪録』は特に必見。
最後に、付録「妖怪の現在」と題して、現代日本を代表する妖怪小説・妖怪漫画まで紹介する、徹底ぶりである。
と、このように気軽に読める愉しい本なのだが、何と本書の監修に当たっておられるのは、日本妖怪学の泰斗・小松和彦氏と、気鋭の妖怪研究家飯倉義之氏ではないか(小松先生は序文まで書いておられる)。まさに盤石の布陣で、実に贅沢極まりない珠玉の一冊に仕上がっている。

(月刊ムー 2024年2月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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