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イエティ、あるいはヒマラヤの雪男。今や世界的に有名な獣人の存在が初めて西欧世界に知られたのは1832年。当時、ネパールに駐在していたイギリスの高官が、ヒマラヤには「悪魔」と呼ばれる毛むくじゃらの生物がいると報告したことにはじまる。
1886年には雪上に巨大な足跡を発見、1951年になると今度は長さ30センチ、幅13センチという巨大な足跡の写真が撮影され、イエティの存在が本格的に議論されるようになった。
ただし有名なわりに、イエティ存在の物的証拠はとぼしく、その正体も生態も謎に包まれたままだ。
そんななか、数少ない物的証拠とされるイエティの頭皮が、今も保管されている場所がある。チベットのクムジュン村の入り口付近に建つ僧院だ。

一時は一般公開が禁止されていたようだが、現在は拝観料を払えば見学可能となっている。クムジュン村を訪れた際には、ぜひともチェックをしていただきたい重要ポイントだ。
ただし、村にたどり着くのは並大抵のことではない。
場所はネパール北東部のコシ州ソルクムブ郡。世界遺産にも登録されている、サガルマータ国立公園内の大自然あふれる土地で、近くにはエベレストもあるといえば、その環境の厳しさが想像できるだろう。
なにしろ標高3790メートルという高地だ。いうまでもなく、富士山より高い。高山病を防ぐためには、村を訪れる前に高所に順応しておく必要がある。
当然、旅行というよりは登山そのものになるので、日常の体力的トレーニングも必須だろう。軽い観光気分はもちろん、登山の初心者では命にかかわる危険もあるので、より注意と覚悟が必要なのだ。
ただ、村とはいえ人口は2000人弱と、それなりの規模なので、小さいながら宿泊施設も存在するとのこと。
苦労の末に僧院までたどり着ければ、幸運にも旅の道中であなたもイエティの目撃者になれるかもしれない。


月刊ムー 2023年5月号より
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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