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青森・新郷村エリアを巡る取材は古代の日本ピラミッドへ。この巨石遺構は現代にも聖性を伝える祭祀場だ!
キリストの墓で知られる新郷村には「大石神ピラミッド」もある。「キリストの墓とピラミッド」という道路標識は、ワン・アンド・オンリーなものとして有名だ。

大石神ピラミッドは、ごく簡単に言ってしまえば、自然信仰の象徴ということになるだろう。ちなみに、キリストの墓に併設されている『キリスト伝承館』の中にも詳しい解説のパネルが展示されているので、現地に行かれる方々はぜひご覧いただきたい。

大石神ピラミッドは、俯瞰したイラストを見ると、環状列石を思わせるレイアウトだ。星座石や方位石、鏡石と名付けられた巨石が点在する丘陵全体がピラミッドという言葉で形容されている。
そもそもは日本ピラミッドというカテゴリそのものを見出した坂井勝軍(かつとき)氏が1935年に現地調査を行い、古代の山岳・巨石信仰を伝える条件を整理し、それらの遺構をピラミッドと呼ぶと定義したのだ。


坂井の検証によれば、大石神ピラミッドはエジプトやメキシコのものとは違って平面基礎から築き上げたものではなく、三角形あるいは神奈備型の山頂にある。太陽石を中心に他の石を磐境行列状に配置したタイプだ。方位石は正しく東西を示し、中心となる頂上の巨石が南北を示すという事実もわかっている。本家エジプトのものよりも長い数万年という歴史があるとする説もある。
この大石神ピラミッドからさらに600メートルほど登ったところに、上大石神ピラミッドと呼ばれる巨石がある。不思議なのは、同じ成分の石が周囲にはないという事実だ。青森県の日本海側の海岸部に位置する鯵ヶ沢周辺の石質と同じであるという。つまり、日本海沿岸で採取された巨石が何らかの方法で県東南部の山岳地帯である新郷村まで運ばれた可能性が否めない。


上に立つと、イベント会場となった間木ノ平グリーンパークが一望できるのだが、そこから少し下ったところに羽井内(はいない)という集落がある。昔は拝内という漢字が当てられていたようだ。集落の人たちは何を拝んでいたのか。山の上に据えられた上大石神ピラミッドを視界に入れていたことは想像に難くない。この巨石を管理していた一族が拝内家という血筋の人々だったという話もある。

いずれにせよ、上大石神ピラミッドが山岳信仰であるとか太陽信仰におけるメッカのような場所として機能していたことは間違いないだろう。祭壇にしか見えない部分もあり、昔の人々の自然とのかかわりの光景をリアルな映像として思い浮かべられるような気がした。

筆者がこの地を訪れたのは秋分の日が明けた時期だった。そのためか、一帯をきれいに掃除して、供え物をしてから祈りを捧げる人の姿があった。静謐な空気の中、爽やかな風に吹かれながら祈るとき、脳裏に浮かぶのは、やはり太古の時代の神々と人間とのかかわりあいのイメージなのだろうか。上大石神ピラミッドに座って瞑想する人も少なくないという。
筆者は、拝内という家名/集落名に独特の響きを感じた。新郷村はキリストとのゆかりが深い地だ。キリスト教的な要素とも縁がないはずがない。頭の中で山岳信仰とキリスト教という二つの要素を組み合わせたら、シナイ山というイメージが浮かんだ。英語でいうならマウント・サイナイだ。拝内という響きにきわめて近いと思うのだ。ここにも何らかの意味合い、象徴性が込められているような気がしてならない。『ナニャドヤラ』の歌詞にヘブライ語由来説があるのと同じニュアンスだ。そう思わずにいられない。

上大石神ピラミッドの上に立った時、信じられないくらい爽やかな風が吹き渡った。神社でお参りする時に風が吹くと、それは神様が歓迎してくれているのだという話をとある宮司さんから聞いたことがある。
上大石神ピラミッドも筆者を歓迎してくれたのだろうか。
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