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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
野村泰紀 著
マルチバースに関する知識を最短で理解できる入門書
「マルチバース」という言葉は、昨今何かと流行りとなっている。何しろ宇宙が多元的に存在するという、最先端の理論物理学の概念であるから、ともかく難解なのであるが、どうしたわけか近年、ハリウッドを中心に、この概念を採り入れた映画作品などが続出しているのだ。そういえば、日本映画『シン・ウルトラマン』もまた、その一例であった。
だが当然、そうした娯楽作品から得られる知識というものは、そのまま鵜呑みにしてはならないことはいうまでもない。むしろ、正しい知識があってこそ、娯楽作品もより深く楽しめるというものだ。
本書は、忙しい現代人、特に文系の人が、マルチバースに関する最新かつ正確な知識を最短で身につけることのできる、まさに好個の入門書。
イマドキのネットのノリをふんだんに取り込んだ、ものすごく親しみやすい文体のおかげで、本来は難解な内容であるにもかかわらず、すいすい読めてしまう。
実際、評者はこれまで、「超弦理論」だの「余剰次元」だのについて、何を読んでもサッパリわからなかったのであるが、本書を読んでようやくスッキリ理解することができた(ような気がした)。
著者の野村泰紀氏は、素粒子物理学などを専門とする気鋭の理論物理学者で、現在はカリフォルニア大学バークレー校教授。書き手として、これ以上の人は望めないだろう。全力で本書を推す所以である。

(月刊ムー 2024年5月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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