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古川順弘 著
2024年のトピック「紫式部と源氏物語」を解説
「世界最古の長編小説」として知らぬ者のない、紫式部の『源氏物語』。
高校で、だれもが一度は読まされるものだが、そもそも古文であることに加えて、全54帖におよぶ話の膨大さ、500人を数える登場人物の複雑さゆえに、全編を読みきった人はほとんどいないという、何とも残念な作品でもある。
とはいえ、今年(2024年)のNHKの大河ドラマが、紫式部の生涯を描く『光る君へ』であるということもあり、このところ、紫式部と『源氏物語』が、一種のブームの様相を呈しているという。
そのような情勢の下、新たに『源氏物語』に関心を抱いた人にとっては、まさに待望というべき書物が登場した。それが本書『紫式部と源氏物語の謎55』である。
『源氏物語』の概説に始まり、その本文批評、背景説明、読み方のコツに至るまで、標題通り55のトピックを取り上げて懇切丁寧に解説する、至れり尽くせりの内容。
その中で、たとえば光源氏の本名であるとか、「源氏」の意味、各登場人物のモデル、成立事情、受容史、紫式部と清少納言の関係など、興味深い謎が明らかになる。
著者の古川順弘氏は、宗教・歴史分野を中心に執筆を行なう文筆家で、著書多数。過去に本欄でも『仏像破壊の日本史』などをご紹介した。
ぜひ本書を案内として、奥深い『源氏物語』の世界に足を踏み入れていただきたい。

(月刊ムー 2024年3月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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