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UFOに遭遇し、アブダクションされた男を複数人が目撃していた……あのUFO事件はデマだった? 新証言に揺れる真相とは?
1897年に初めて報告されて以来、世界各地で被害が報告されているエイリアン・アブダクション=異星人による人類拉致事件。1961年に発生したヒル夫妻誘拐事件がとりわけ有名であるが、約50年の年月を経てもなお論争が続いているエイリアン・アブダクションがある。「トラヴィス・ウォルトン事件」である。
トラヴィス・ウォルトン事件とは、1975年11月、米アリゾナ州とニューメキシコ州に広がる国有林「アパッチ・シトグリーブス」で森林作業に従事していたトラヴィス・ウォルトンが異星人に誘拐され、約5日後に現場から20キロほど離れた場所で発見、保護されたという事件である。
ウォルトンは同僚6人の目の前でUFOが発する光線に打たれた後に行方が分からなくなっていたことや、彼が遭遇したヒト型生命体などの証言からその真相を含め全米各地のメディアやUFO研究団体を巻き込んだ大騒動へと発展、1993年には映画化されるほど大きな注目を集めたが、その決着はいまだついていない。


近年もUFO研究団体が現地調査を行うなど何かと話題になっているトラヴィス・ウォルトン事件だが、ここにきて同僚の1人だったスティーブ・ピアーズが「あれはデマだった」と告白。
当時のマスコミがこぞって募集していた「UFOや宇宙人の遭遇談」をヒントに、「大幅に作業が遅れていた伐採作業期限を延長するためにでっち上げたネタだった」として、突如その詳細を語り始めたのである。

「私は当時まだ17歳だった。私を瞬く間に渦中の人物とし、人生を大きく狂わせたあの事件が、上司と同僚の悪ふざけであったことを受け入れるのは簡単なことではなかった」
ピアーズは事件から数か月後には、このアブダクション事件がデマではないか、という疑念を抱えていたという。彼らは現場近くの火の見櫓の照明を操作しUFOを演出した可能性が高いと推測しており、事実、事件が起きた当日、ロジャースは2時間ほど作業現場から離れ、姿が見えなかったことを明かしている。
ピアーズは「この話題にはもううんざり」として、まさかここまで長い期間、話題になるとは想像していなかったようである。ピアーズによると、彼はウォルトンと現場監督だったマイケル・ロジャースが仕組んだデマに巻き込まれただけと主張しており、当時最年少だった自分がコマとして使われたことは非常に不快であり、金目当てに人々を騙し続けている彼らは卑しく悪辣だと強く非難しているのだ。

確かに1970年前後といえば、空前のUFOブームに湧いていた時代である。エイリアン・アブダクションを題材にした映画が流行し、日本ではかの有名なUFO遭遇事件「甲府事件」が発生するなど、世界各地でUFO事件が相次いでいた頃だ。
しかしながらここで疑問なのは、なぜ今になってトラヴィス・ウォルトン事件がデマであると告白したのか、という点である。スピアーズは良心の呵責を訴えているが、どうにも彼の主張には不自然な点が多いように思う。現場作業員が櫓の照明でUFOを演出したとして、トラヴィス・ウォルトンの体験のディテールまで作りこむ必要があっただろうか。また、スピアーズだけに事実を示さずに大がかりな作為が可能だっただろうか?
現場となったアパッチ・シトグリーブスは古くからUFO遭遇事件やUMAなど、怪現象の宝庫として知られる土地である。著者はこの告白の背景には、ウォルトン事件の真実を隠蔽しようとしている集団がいる——そんな気がしてならないのだ。
参考
https://threedollarkit.weebly.com/blog/it-was-a-hoax-steve-pierce-knows-the-truth
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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