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デジタル化の進んだ現代、江戸人たちの絵は国立公文書館、国立国会図書館をはじめさまざまな施設が公開している。そうした史料をみていると、何を描いたものなのか判別しがたい「奇妙な絵」を発見できる。妖怪かUM
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久留島元 著
天狗とは何かを、丁寧に考察した解説書
日本を代表する妖怪のひとつである「天狗」。偉丈夫の山伏姿で、赤ら顔に長い鼻、自在に空を飛び、さまざまな怪異を起こす、妖怪の中でも上位に位置する存在、といったイメージは、日本人ならだれもが共有するところだろう。『ゲゲゲの鬼太郎』においても、大天狗が裁判長を務めていたことは、よく知られている。
そんな天狗の研究といえば、これまではフィールドワークを得意とする民俗学の独壇場とされてきた。これに対して本書は、「天狗説話」というキーワードを軸に、「言葉を対象とする文学研究の立場から」天狗のイメージの形成と、その変遷を跡づけようとする試みである。
われわれのよく知る鼻高天狗像形成の経緯に始まり、中世における天狗像の変化、鎌倉時代の絵巻『是害房絵』を切り口とした各地の天狗伝承の分析、そして江戸時代から近現代に至る天狗のキャラクター化まで、豊富な資料を俎上に上げつつ、天狗とは何かを丁寧に考察してゆく。
著者の久留島元氏は、国文学博士で、博士論文にしてから「「天狗説話」の研究(同志社大学)」であったという「天狗の申し子」。
本書は、この博士論文とも一部関連しているようだが、本書自体は論文ではなく、一般向けの平易な解説書であるから、恐れず手に取っていただきたい。そして願わくば、本書を契機として、ひとりでも多くの人が、日本の妖怪研究の甘美な沼に、はまられんことを。

(月刊ムー 2024年3月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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