見るべきは右手か左手か?手に刻まれた幸せへの近道を読む/秋山眞人の「サイキック開運手相術」 第1回
日本を代表するサイキックのひとり、秋山眞人さん。10代から手相学を学びはじめたそうです。古今の文献を精読し、国内外の成功者や著名人の手相を観察するなかで、さまざまなメソッドの妥当性を検証し、開運に役立
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20世紀最大の魔術師、アレイスター・クロウリーが生みだした「トート・タロット」の成り立ちを紹介。
現在、世界各国で数千種類に及ぶタロット・カードが流通している。トート・タロットはそのひとつなのだが、黒魔術のタロットだの、性魔術の秘儀が込められているだのという噂が、常につきまとう。しかし、それはきわめて偏った見方である。
トート・タロットは、20世紀最大の魔術師と呼ばれた不世出の天才、アレイスター・クロウリーの指導のもと、フリーダ・ハリスが1938年から1943年の約5年という月日をかけて制作した。
そのあまりにも美しく精緻な図柄は、制作当時の印刷技術では再現することができず、完成はしたものの、出版・販売ができないまま25年以上も秘蔵されていた。その結果、皮肉なことに制作者のクロウリー、ハリスともども、このタロットを手に取って使うことができないまま、世を去っている。

タロットの名称である「トート」とは、エジプトの知恵の神「タフティ」をギリシア語で発音したものだ。また、このタロットは一般に「トート・タロット」と呼ばれるが、正式名称は「トートの書」である。つま
り、たんなる占いの道具ではなく、ヒエログリフをつくりだし、女神イシスに魔術を教えた知恵の神トートが書いた「本」なのだ、という主張が込められたネーミングなのだ。
トート神は、エジプトからギリシアへと時代が下るにつれ、ヘルメス神と同一視された神である。そして、このヘルメス神から、神秘思想や錬金術思想に重要な役割を果たすヘルメス・トリスメギストスという神人格が生まれた。こうした流れから、西洋魔術全般は「ヘルメス学」と呼ばれることになった。
その意味でトート神は、西洋神秘思想の源流なのである。その神の名を冠したこのタロットこそ、西洋魔術の真髄なのだという、クロウリーの決意がうかがえる。

カードを描いたフリーダ・ハリスについては、1877年生まれ、英国自由党で下院与党院内幹事長まで務めたパーシー・ハリス卿の妻だったということくらいしかわかっていない。
神秘的なことに興味のあった彼女は、第2次世界大戦も間近い1938年に、共通の友人によってクロウリーに引きあわされたという。そのときハリスは、クロウリーに対して、新しいタロットを制作したい、そのために自分に魔術を教えてほしいと申しでた。そこからふたりのタロット制作がはじまり、その作業は5年に及んだ。
それほどまでに精魂込めて制作されたトート・タロットなればこそ、何らかの秘儀が込められているのではないかと、神秘家たちが期待を寄せるのも無理はない。実際のところ、占いのみならず、魔術的な作業全般に使うことを前提としてつくられたカードなのだ。
ところが、残念ながら、魔術に使うための参考資料がないという大きな欠点がある。
クロウリー自身が、弟子向けに著した解説書『トートの書』が存在してはいる。しかし、弟子向けに書かれただけあって、難解な魔術用語がぎっしりと詰め込まれ、弟子以外の人間にはとうてい理解できないような代物なのだ。
そうした事情も手伝い、魔術系タロットの最高峰と名高いトート・タロットをせっかく手にしても、扱いかねてお蔵入りにするか、自己流の占いだけに使って、お茶を濁している人は多い。
少々手前味噌にはなるが、拙著『増補改訂 決定版 トート・タロット入門』(ワン・パブリッシング)には、トート・タロットを修得したい人に向けて、できるだけ平易かつ十分な内容を盛り込んだつもりである。トート・タロットの世界、引いてはクロウリーの魔術世界へと分け入る第一歩として活用していただければ幸いだ。

ヘイズ中村
魔女・魔術師・占い師・翻訳家。中学生頃から本格的に西洋密儀思想の研究を開始。その後、複数の欧米魔術団体に参入し、学習と修行の道に入る。現在はタロットを使った魔術的技法に関する本を執筆しながら、講座などでの身近な人との触れあいを大切に活動中。
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