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火星に進出した人類は突然変異を遂げるのか――。未来の転居先である火星で暮らしはじめた人類は、肌が緑色になる可能性があるという。
進化論的には途方もない年月をかけてサルから進化した我々人類だが、進化の過程の節目節目で起きている劇的な変化が突然変異である。より良く環境に適応し、生存競争で優位に立つために眠れる潜在能力が発揮され、突然変異が起きる。
ひょっとすると、我々の新たな突然変異は火星で起きるのかもしれない。
人類の次のフロンティアである火星だが、その環境は過酷だ。火星の直径は地球の半分と小さく、重力も30パーセント少ない。また、大気は地球の160分の1程度ときわめて薄く、オゾン層と磁場もないため、宇宙放射線、紫外線、太陽から放出される荷電粒子にさらされる。気温も30度からマイナス140度と極端に変動する。
この過酷な環境に火星に暮らしはじめた人類に突然変異が起きる可能性が指摘されている。
米ライス大学の生物学者、スコット・ソロモン氏によると、火星に移住した人類が産んだ子どもの体にはさまざまな劇的変異が起きる可能性が高いという。
これらの突然変異は重力の低さと放射線量の高さによって発生し、筋肉の衰え、視力の低下、骨のもろさをもたらす可能性があり、なんと肌は緑色になるとソロモン氏は説明する。
「おそらく、火星の高放射線量に直面して、私たちはそれに対処するための新しいタイプの皮膚色素を進化させるかもしれません」「もしかしたら、私たちも“グリーンマン”になるかもしれない」とソロモン氏は著書『Future Humans(未来の人類)』で説明している。
さらに同氏は、重力がなくなると骨がもろくなり、出産時に女性の骨盤が割れる可能性があるとも述べている。また、人間が小さな居住区で一緒に暮らすようになると、遠くを見る必要性が減るため、視力も弱まる可能性もあるということだ。
さらに、火星の過酷な環境はさまざまながんをはじめとする、各種の疾患のリスクを高める可能性もある。火星移住が人類にとって極めて過酷な試練になることは、少なくとも生物学的には間違いなさそうだ。
人類の火星移住構想の事実上のリーダーであるスペースX社のCEO、イーロン・マスク氏は火星にコロニーを作るため、一度に100人以上を乗せた宇宙船を火星に送り込む計画を以前から話している。
米「ニューヨーク・タイムズ」紙などによれば、イーロン・マスク氏は現在、スペースX社内で火星都市の具体的な設計に着手しており、プロジェクトチームは小型のドーム型居住施設の設計や、火星の過酷な環境に耐え得る宇宙服の開発に取り組んでいるといわれている。
さらには火星での医療についても研究されており、火星で子どもを産むことが可能かどうか検証されているという。
今年4月、マスク氏はスペースX社内向けのビデオで「およそ20年後には100万人が火星に移住するだろう」と語った。そして今年9月8日、マスク氏はXで2年後の2026年にロケット「スターシップ」の火星への打ち上げ事業を開始するとアナウンスしている。
スターシップは全長122メートルの超大型ロケットで、実際に乗員100人を同時に宇宙に運ぶことができるといわれている。

このように着々と進む火星移住計画だが、はたして人間の人体はそれに追いついていけるのだろうか。前出のソロモン氏は、人類が火星に火星に定住するのは必ずしも無理ではないが、きわめて多くの技術的措置が必要とされていると話す。
「火星に住む人は、少なくとも放射線からの保護と、その他の健康への悪影響に対処するためのさまざまな医療的介入が必要になります」(ソロモン氏)
そして、火星に到達した人類に次の突然変異が起きるのか。火星移住はさまざまな宇宙技術開発はもちろん、人体の潜在能力も試されているといえそうだ。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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