正体は巨大オオウナギか、未知の水棲生物か? 池田湖の怪獣「イッシー」の基礎知識
毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、巨大な怪生物が棲むという伝説のある鹿児島県の池田湖で、多くの目撃報告が相次いだ水棲UMA
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時間は立体化し、光速を超えると過去に戻る? 超光速を考えることは、時間と空間の不可思議な関係を知ることでもある。三上編集長がMUTubeで解説。
量子タイムシフトが確認された!!
2022年12月、量子タイムフリップという奇妙な現象がウィーン大学のテオドール・ストロムベルクらによって確認された。この原理に基づいた実験系で、光をあたかも過去や未来へと自由へ動かすことができたのだという。もしかしてタイムマシンの基礎原理が発見されたのか?
「シュレーディンガーの猫」の話はご存じだと思う。箱の中に猫を閉じ込め、猫がいつ死ぬかを当てるという(放射線を使った猫殺しのギミックは省略)もので、箱を開けない限り、猫が生きているか死んでいるかを当てることはできないため、箱を開けるまで猫が死んでいるか生きているかはわからない、つまり確率的には生きた猫と死んだ猫が重ね合わさっていると表現できる。
本当に猫が生きているか死んでいるか、確率の雲のようになっているわけはないが、量子の世界ではこれが起きる。生きているか死んでいるかが、光を二重スリットに通したときに波になるか粒子になるかは観測者がいるかいないかで決まる。二重スリット実験では波か粒子かになる。
量子タイムフリップを使った実験で、ストロムベルクらは光が未来に進む実験系と過去に進む実験系が重ね合わせ状態になるという、光と時間の「シュレーディンガーの猫」実験系を作ったという。
そして実験ではAからBへの実験過程1とBからAへの逆の実験過程2が存在し、1と2が重ね合わせ状態になる。1と2の実験の関係は、1が時間の順方向(現在から未来への過程)なら2は時間の逆行として解釈できるのだというのだ。光を過去に戻したとでもいわんばかりの実験である。
量子タイムシフトの実験は世界中でほぼ同時に行われ、ブリストル大学のチームも実験に成功している。同大学のジュリアーノ・ルビノは、「ふたつの実験を同時に行い、情報が過去にも未来にも流れる双方向の回路を作ることもできます」と説明している。
光を時間に対して過去と未来へ動かす量子タイムシフトは本当に起きている現象なのだ。私たちは過去に光を戻すことに成功したのか?
物理法則には過去も未来もない
これは非常に難しい概念なので、東京工業大学の山崎詩郎助教に手伝ってもらう。
山崎先生はアニメの『エヴァンゲリオン』やSF映画『インターステラー』の科学技術を解説したり、タイムパラドックス映画『TENET』では字幕の監修もした、ポピュラーなサイエンティストである。
まず大前提として、物理学における時間とはいったい何なのか?
物理法則では、時間には過去も未来もない。ボールを落として床に跳ね返る映像を逆再生しても、どちらが過去かは映像だけではわからない。これを「すべての物理法則は時間反転に対して対称」といういい方をするのだそうだ。
「でもわれわれは時間は未来にしか進まないと思いますよね。たとえばボウリングのピンが倒れる映像があるとすると、逆再生したら、倒れたピンが起き上がっておかしいとだれでもわかりますよね。これがエントロピーです。複雑さですね。ボウリングのピンがキレイに並んでいる状態はエントロピーが低い。秩序がある。ピンが倒れると無秩序でエントロピーは高くなる」
無秩序のある状態から秩序のある状態になることはなく、物理法則には過去も未来もなくても、時間はエントロピーが低い方向から高い方向へと流れる。
「電子と陽電子がぶつかると対消滅という現象が起きて、光が生まれます。物理法則には過去も未来もないので、電子と陽電子がぶつかって光が生まれたのか、電子が光子とぶつかって電子が過去へとさかのぼったともいえるのです」
方程式上、電子と陽電子がぶつかって光になっても、電子が光とぶつかって過去にさかのぼっても同じ式になるのだそうだ。だから過去へと時間を逆行している電子をわれわれは陽電子と呼んでいるだけかもしれないわけだ。
「量子の根源、秩序ができる前の状態を素過程と呼びますが、素過程では時間は考えなくていいんです」
秩序が生まれて初めてエントロピーが生まれ、時間の前後が認識できるようになる。
(文=久野友萬)
続きは本誌(電子版)で。
久野友萬(ひさのゆーまん)
サイエンスライター。1966年生まれ。富山大学理学部卒。企業取材からコラム、科学解説まで、科学をテーマに幅広く扱う。
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