蝿を叩いて大爆発した話!? など/南山 宏のちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2022年9月号、第461回目の内容です。
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大昔に絶滅したはずの恐竜は、まだこの世のどこかでひっそりと命を繋いでいるのだろうか。1965年にアメリカの潜水調査船がバハマ沖の深海でプレシオサウルスを目撃したという驚きの報告がある。
1964年6月5日に就役した米海軍の有人潜水調査艇「アルビン(Alvin)」は、1965年にバハマ沖で初めてのテストダイビングを行った。乗組員は共にアルビンの設計者であるマービン・マカミス氏とビル・レイニー氏の2人であった。
バハマ諸島の主島であるニュープロビデンス島とアンドロス島の間の深い海域で2人が乗るアルビンが潜航を開始した。
ゆっくりと1500メートルほどの水深まで潜航したアルビンは、さらに海底の割れ目を90メートルほど降下していった。そしてアルビンが潜航を止めて静止すると、マカミス氏は周囲に何か動くものがあることに気づいた。
小さな窓から肉眼でよく見ようと潜水艇の向きを動かした2人は、足ひれを持った大きなトカゲのような生物を目撃して驚愕。しかも、足ひれのついたボリュームのある胴体から、ヘビのように長い首が伸び、その先にある頭部の2つの目がこちらをまっすぐ見ていたのだ。全長は12~15メートルほどであった。よく見ると、それは大きなトカゲというより、首の長い恐竜の姿をしていたのだった。
唖然としていたマカミス氏とレイニー氏であったが、この驚異のモンスターを撮影しようと急いでカメラの準備にとりかかった。しかし処女潜航ということもあり、まだまだ操作に慣れてはおらずもたついている間に、このモンスターは背をむけて上のほうへと泳ぎ去っていったのだった。
残念ながら撮影することはできなかったが、マカミス氏は潜航レポートにこのUMA(未確認動物)の目撃情報を記録した。しかし、後にレポートをまとめた保存版でその部分は具体的な証拠がないため削除されたのだという。
後にマカミス氏がこの海洋UMAとの遭遇について未確認動物学者のベルリッツ氏に話したところ、彼の同僚でアーティストのJ・マンソン氏が恐竜のプレシオサウルス(首長竜)の絵を描いてくれた。そして絵を見たマカミス氏は、あの日に自分が見た生き物がプレシオサウルスであることを確信したのだ。
当時、少なくない数の未確認動物学者と動物学者がマカミス氏とレイニー氏の2人が何を見たのかについて議論を交わしている。大きなウミヘビであるとの説や、首の長い珍しいアザラシであるとの指摘もあったが、現代まで生き残ったプレシオサウルスであると信じる者もいた。
未確認動物学者のカール・シューカー氏は、このアルビンでの観察が2つの理由から非常に価値があると考えている。まず、目撃者は2人とも優秀な技術者であり、有名になりたがろうとする策士ではなかったことだ。第2に彼らはプレシオサウルではないかとされるものを、いろんな物体がある海面上ではなく、深海というシンプルな自然環境の中で観察したことだ。
シューカー氏はアルビンが本物のプレシオサウルスと遭遇したと信じる専門家の1人であり、この事例は、そのような海洋UMAが存在することを示す最も説得力のある証拠の1つであるとも考えている。
海のUMAとして中世の時代から有名なのはシーサーペント(sea serpent)であるが、アルビンで観察されたこのUMAは、その名を取って「アルビン・シーサーペント(Alvin sea serpent)」と呼ばれることもあるようだ。
はたして、今もまだこの海洋UMAは大西洋を泳いでいるのだろうか。絶滅したといわれている恐竜が実は、今も命を繋いでいるとすれば今後も目撃される可能性は残されているのだろう。海洋に生息する未だ見ぬUMAに引き続き注目していきたい。
【参考】
https://www.infinityexplorers.com/plesiosaur-alvin-submersible/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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