奇跡!? 石の涙を流す少女たち/並木伸一郎
目から次々と湧いてくる小石、瞳からあふれるダイヤモンド状の物質、まぶたを埋めるかのような真っ白い粘膜。現代医学でもいまだ解明できない目による謎の物質化現象をここに紹介する。
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「量子もつれ」の存在が証明された!科学と心理学が示した意外な共通点とは!? 三上編集長がMUTubeで解説。
昨年10月、ノーベル物理学賞がアラン・アスぺ、ジョン・クラウザー、アントン・ツァイリンガーの3氏に与えられることが発表された。
受賞理由は、この3氏による「量子もつれ光子を用いた実験によるベルの不等式の破れの検証と量子情報科学の開拓」などの業績に対するものだ。何やら一般人には馴染みの薄い用語が並べられてわかりにくい。が、要約すれば「量子もつれは本当にある!」ということを世界で初めて実験で証明したのがこの3人ということである。
いや「量子もつれ」という用語そのものがピンとこない、という人もいるだろう。
実際、物理学の専門家でさえ「あまり詳しくない」あるいは「知識はあるが、認めたくない」といった、いわば「量子もつれ嫌悪症」の方が少なからず存在する。あの天才アインシュタインでさえ「量子もつれ」を「幽霊みたいな(spooky)」存在と呼んで忌嫌った。
では「量子もつれ」とはどのような現象なのか? 具体的な説明は次章以降で詳しく述べさせていただく。
とりあえず今は「物理学の常識を根底からひっくり返す、まるで魔法のような現象」が量子力学の世界では当たり前に起きていて、それが「量子もつれ」と呼ばれている、とだけ理解していただければと思う。
実は、「量子もつれ」という現象が発見されたのは、もう半世紀以上も前の話。ただ、あまりにも常識外れな現象のため、長い間、それが本当に起きているのかどうかは議論の的となっていた。それを考え抜かれた実験によって議論の余地なく証明したのが、前記の3人だったというわけである。
2023年3月27日、日本の理化学研究所は量子コンピューターの国産初号機の稼働を開始したと発表した。
量子コンピューターとは、「量子もつれ」や「量子の重ね合わせ」など、素粒子特有の奇妙な現象を、コンピューターの基本構造に応用した次世代計算機のことである。理研の発表によれば、この国産量子コンピューターの計算能力は「64量子ビット」であり、これまで世界最速だったIBM製の「27量子ビット」を遙かに上まわる。
もはや「量子もつれ」が本当にあるのかどうかを議論する時代はすでに過去のものとなった。
「量子もつれ」は本当に存在する。
それがわれわれの世界にどのような影響を及ぼすのか、さらにはどのように利用することができるのかを、現実的な問題として議論する時代になったのである。
こんな時代がくることを予見していたひとりの心理学者がいた。
カール・グスタフ・ユングである。彼は自らが提唱する「シンクロニシティ」という斬新な概念を説明するため、まったく畑違いの「量子もつれ」という奇妙な現象を自説に取り入れた。その大胆な手法と論理展開に対して否定的な意見も少なくなかった。しかし研究が進んだ現在、人の脳の活動にも「量子もつれ」のメカニズムが大きな影響を及ぼしていることがわかってきた。やはり、ユングは間違っていなかったのである。
心理学の「シンクロニシティ」と量子力学の「量子もつれ」──。
この記事では、読者のみなさんを世にも不思議な探索の旅へ招待しようと思う。これからみなさんが足を踏み入れる世界では、偶然の一致が頻繁に起こったり、遠く離れた場所が秘密の通路で結ばれていたり、あるいは光よりも速いスピードで移動する謎の物体が出現したりする。
そこはまさにアインシュタインが嘆いたような「幽霊(spooky)」たちが跋扈するあやかしの世界である。
ただ誤解していただきたくないのだが、「量子もつれ」の数学的枠組みは完全に論理的で首尾一貫している。どんなに奇妙な話に思えたとしても、素粒子のレベルでこの世界がどのような姿であるのかを、この記事ではできるだけ正確にお伝えしたいと思っている。
では、旅立ちの一歩を踏みだそう。
まずは、古代ギリシアの哲学者たちが、この世界をどうとらえていたのか。パート1ではそんな話題からスタートする。
(文=中野雄司)
続きは本誌(電子版)で。
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