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太平洋のど真ん中に浮かぶ12の島島からなるマルキーズ諸島。そのうち6つが有人島ではあるが、もっとも近いタヒチ島からでも1500キロもの距離があり、飛行機で3時間以上かかる絶海の地だ。
この島に初めて人間が訪れたのは、約2000年前だといわれている。
当時、サモアやトンガを旅立ったポリネシア民族の祖先たちが長い航海の末にこの島々を発見し、定着。石の文化を華開かせた。興味深いのは彼らがその後、イースター島やハワイ、ニュージーランドへと広がっていき、独自の文明圏──環太平洋巨石文明圏──を作りあげたということだ。
1595年になると西洋文明との邂逅が起こり、スペインの探検家アルバロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラが西洋人として初めてこの島々を訪れる。彼は当時のペルー副王婦人に因ちなんで「マルケサス諸島」と名づけたが、その後フランス領になると、フランス語で「マルキーズ諸島」と呼ばれるようになった。
これらの島々の先住民たちは「マラエ」と呼ばれる聖地に、石の神殿や「ティキ」というポリネシアの神の像を建て、祭祀を行っていた。
なかでもヒバ・オア島にあるティキ像「タカイイ」は高さ2.4メートルと、タヒチ海域でも最大のものとなっている。

ティキは、ハワイなど環太平洋の幅広い地域でも見ることができ、イースター島のモアイ像についても、ティキがルーツではないかと考えられているほどだ。
またマルキーズ諸島の原始的なティキには、モアイ像よりもさらに異形のものが多く、宇宙からの訪問者(異星人?)の姿なのではないかという指摘もある。
ちなみにマルキーズ諸島の人口は約8000人。中心はヌク・ヒバ島のタイオハエと、ヒバ・オア島のアトアナになる。いずれの島にもタヒチからの直行便があり、さらにヌク・ヒバ島とヒバ・オア島の間では週に数回の乗り継ぎ便もある。
ただし、現地の交通事情は決して良好とはいえないので、ガイドの依頼は必須である。



(月刊ムー 2024年8月号掲載)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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