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秋田県鹿角市十和田大湯地区といえば、大湯環状列石(ストーンサークル)の存在がよく知られている。
これは野中堂環状列石と万座環状列石という、ふたつの石のサークルを中心とした縄文時代後期(約4000年前)の遺跡で、同遺跡内には「日時計状組石」と呼ばれる遺構もある。
これだけでもすでに縄文ミステリーができあがるのだが、この環状列石のすぐ近くには、黒又山という謎のピラミッドがあるのだ。


黒又=クロマンタはアイヌ語で「神々のオアシス」を意味する「クル・マッタ」が訛ったものだとされる。周囲には山がなく、独立しているのでピラミッド状の山容がはっきりとわかる。
この黒又山が特別なのは、すでに本格的な学術調査が複数回、行われているという点にある。
まずはレーダーによる地質学調査により、山体は溶岩が盛りあがってできた自然の山であることが判明。ただ、斜面には7〜10段程度のテラス状の遺構が確認されており、人の手が入っている可能性も示唆されている。このテラスは張り出し部分で幅約10メートル、高さは2〜3メートルで、麓に近づくほど広く高くなっていた。
また山の表面には小さな礫がびっしりと貼られており、これは古墳の表面に飾られる葺き石のようなものだった可能性がある。
山頂に目をやると、そこは比較的平らに整地されていて、本宮神社の社殿が鎮座している。この場所からはメンヒルや縄文土器も発見されているから、古代には祭祀場として使われていたのだろう。加えて平成4年の調査では、神社の真下に巨大な岩があることもわかっている。
また、頂上から少し下った場所の地下10メートルほどの地中には、南・西・北の三面を壁で囲まれた一辺10メートルほどの空洞も見つかった。
こうしたことから見ても、黒又山に人工的な加工がなされている可能性はきわめて高い。だとすればそれは、隣接する大湯環状列石とも、エネルギー的に密接な関係があったはずなのだ。
ちなみに岩手県北上市には飯豊森という山がある。かつては「クロマンタ」という地名で、「第2黒又山」と呼ばれている。この山も黒又山と同じ構造なのかもしれない。

(2024年 月刊ムー5月号)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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