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約3600年前の青銅器時代に作られた、人類最古の天文盤。それがネブラ・ディスクだ。
直径約30センチ、重さ約2キロの青銅製の盤上には、左に太陽(あるいは満月?)、右に三日月、さらに32個(もとは37個)の星が金の装飾で散りばめられている。
星のうち三日月の左上にある7つの星は、その形状からプレアデス星団だと考えられている。プレアデスは日本では「すばる」といい、世界各地で農耕を始める時期を知らせてくれる星団として重要視されてきた。このことからも、ネブラ・ディスクが実際に古代の天文盤として使われてきたことは間違いないだろう。
円盤の右側には金の縁取りがあり、これは上端が夏至の日の出、下端が冬至の日の出を表しているとされる。現在は失われているが、かつては左端にも同じような縁取りがあって、こちらは上端が夏至の日没、下端が冬至の日没の方角を示していたはずだ。また、下にある弓状の装飾は、太陽の船だとされる。

と、これほどまでに精密な天文盤として作られたネブラ・ディスクが発見された場所は、ドイツのザクセン=アンハルト州ブルゲンラント郡ネブラ近郊。1999年のことだった。
ただし、正規の発掘調査ではなく、盗掘による発見であり、ブラックマーケットで販売されたあと、2002年にスイスで押収されたことにより世に出たものだ。盗掘者の自白によって前述の出土地が判明し、現在ではその場所は金属製の円盤に覆われて保護されている。
発見場所の近くにはビジターセンターが建てられていて、そこにはレプリカが展示されているが、ネブラ・ディスクの現物は、ハレ州立先史博物館で見ることができる。
そもそもハレ州立先史博物館は、1500万点以上の収蔵品を誇る歴史ある博物館だ。石器時代から民族大移動まで、40万年にわたる人類の歴史を知ることができる場所なので、決して飽きることなく楽しめるはずだ。



(月刊ムー 2024年5月号掲載)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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