黒い目の子供(BEK)がイギリスに出現!コロナ禍のキャンプ地でカップルを襲った“人間とは思えない少女”
正体不明の不気味な存在「黒い目の子供(BEK)」の目撃が相次ぐという英国の森で、コロナ禍のカップルを襲った恐怖体験とは――!?
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だれもが知っている物語の裏に語られているものとは!?
昔話、それはその名の通り現在より過去のいつかの時代にあったこと、という体裁で語られる口承文芸のひとつだ。時代は「むかしむかし」という不特定の時代とされ、動物や妖怪、神様や幽霊など、さまざまなものが登場する。
そして昔話を聞かせる対象は、多くの場合幼い子どもである。そのため、昔話の多くは教訓を含んでいたり、残酷な描写がなかったり、ハッピーエンドで終わることが多い。しかしその原型を辿ると、子どもに聞かせるには恐ろしい内容だということも多々ある。
そこで今回は、今もよく知られている昔話が、かつてどのような形で語られていたのか、それを探っていきたいと思う。
「おむすびころりん」と同じく、小さなつづらと大きなつづらを選ばせる展開がある昔話に「舌切り雀」がある。こちらはその名の通り雀が物語の主役となる。
よく知られたあらすじは以下のようなものだろう。
あるところに心優しいおじいさんと欲張りで意地悪なおばあさんがいた。ある日、おじいさんが森に行くと、1羽の雀がケガをして飛べなくなっていた。かわいそうに思ったおじいさんはその雀を家に連れて帰って手当をし、「おちょん」という名前もつけてたいへん可愛がった。そのため、おちょんもおじいさんによく懐いたが、おばあさんはというと、おちょんをよく思っていなかった。
そんなある日、おじいさんが出かけている間におちょんがおばあさんが洗濯のために作ったのりを食べてしまった。これに怒ったおばあさんは激怒しておちょんの舌をハサミで切り、さらに家から追い出した。帰ってきてそのことを聞いたおじいさんは、おちょんを捜しに森に行った。
おじいさんが森の奥までおちょんを捜しにいくと、そこに雀のお宿があり、おちょんがでてきて歓迎してくれた。そこでおじいさんは料理や踊りでもてなされ、帰りにお土産として大きなつづらと小さなつづら、好きなほうを選ぶようにいわれる。欲のないおじいさんは小さいほうのつづらを選んで帰った。
家に帰ったおじいさんがおばあさんとともにつづらを開くと、中にはたくさんの財宝が入っていた。
これを見た意地悪なおばあさんは、おじいさんが小さなつづらを選んだと聞いて激怒し、自ら雀のお宿に乗り込んだ。そして大きなつづらを選ぶが、おちょんが帰るまで開けてはならないといっていたつづらを帰り道で開けてしまう。
しかしそこから現れたのは財宝ではなくさまざまな化け物たちで、驚いたおばあさんはほうほうのていで家に帰ったという。
このように意地悪で欲深なおばあさんが報いを受ける、というのがこの昔話のオチだが、おばあさんはせいぜい驚かされるだけで、そこまで大きな被害に遭っていない。

この昔話は江戸時代にはほぼ完成しており、出版物などで広く知られていたことがわかっている。
さらに古いものだと鎌倉時代初期に記された説話集『宇治拾遺物語』に収録される「雀報恩の事」という話がある。この話は「腰折り雀」、「腰折れ雀」などとも呼ばれ、「舌切り雀」の原型とも、同じ原型から派生した話だともいわれている。
しかしその内容は、現在知られている舌切り雀よりも容赦がない。そのあらすじは以下のようなものだ。
昔、60歳ばかりの老女が庭で子どもたちに石を投げられ、腰を折られて飛べなくなっている雀を見つけた。近くにカラスがおり、このままでは食われてしまいそうだったため、老女はこの雀を助け、食べ物を与えるなどしてよく世話した。そうして時が過ぎ、雀は飛べるまでに回復した。そのため、もうカラスに捕まることもないだろうと老女は雀を逃がしたが、それから20日ほどしてあの雀が帰ってきて、老女の手に瓢(ひさご)の種をひとつ置いていった。
老女がその種を植えてみると、その瓢はすくすくと育ち、秋には普通よりも大きな実をつけた。老女はそのうちのいくつかを里に配ったり、自分で食べるなどしたが、より大きな7つ、8つは瓢箪にしようと吊るして乾かしておいた。それからしばらくして、そろそろ瓢箪にできるかと瓢の実を下ろしてみると、なぜか重い。不思議に思って切ってみると、中から白米が出てきた。この米は何度使っても尽きることがなかったという。
これを知った隣に住む女は自分も腰の折れた雀が現れるのを待ったが、なかなか現れないため、米を撒いて雀を集めると、自分で雀たちに石を当てて3羽ばかりの雀の腰を折った。そしてその3羽の雀の世話をし、飛べるようになると外に逃がしたところ、10日ばかりして雀たちが瓢の種を持ってきた。
女は喜んでこれを埋めたが、育った瓢はあまり大きくなく、実の中に入っている米も異常に苦く、食えたものではなかった。
これは隣の老女のようにきちんと干してから身を開けなかったためだ、と考えた女は瓢の実を干し、しばらくしてその実を開けると、中に入っていたのは米ではなく、虻、蜂、ムカデ、トカゲ、蛇などの毒虫たちであった。これらのものは瓢の実からあふれ出てくると目や鼻を含め女の体中を刺し、嚙んだが、女は痛みも感じないようで、ただ「米がこぼれかかってきた」などと考えていた。
そのうちにほかの瓢からも毒虫があふれ出してきて、この女とその子どもを刺し、食い、殺してしまった。これは雀が腰を折られたことで恨み、虫たちに相談して、協力してもらっていたのだという。話の最後は、これだから人を羨むなどしてはならないのだ、と結ばれている。
どちらの話でも欲をかいた者が雀から財産を得ようとしてひどい目に合うという点では共通している。しかし「舌切り雀」では驚かされただけの欲深い者は、「腰折り雀」では毒虫に群がられ、殺されるという、人によっては最も嫌な死に方で最後を迎える。
欲のために他者を傷つける者は、本来このような応報を受けるものなのかもしれない。


(月刊ムー2024年4月号)
朝里樹
1990年北海道生まれ。公務員として働くかたわら、在野で都市伝説の収集・研究を行う。
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