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宗教的、歴史的な地層が厚いインドの遺跡は、必然、異界の力が高まってしまうのか……。心霊スポットと知られる階段井戸の逸話を紹介。
様々な文化と宗教が多層化した国、インド。ムー旅では古代神話が息づく宗教思想に触れる旅であったことはこれまでのレポートでお伝えした通り。
今回は工程の途中で訪れた「メフラウリ遺跡公園」にある心霊スポットを紹介しよう。
デリー南部メヘラウリ地区にあるメフラウリ遺跡公園は、イスラム王朝のデリー・スルタン朝やムガール帝国、さらにはイギリス統治時代にいたるまで、古代遺跡や歴史的建造物が数多く残された考古学公園である。今では多くの人が訪れる観光名所であるが、その実は知る人ぞ知る心霊スポットが点在する場所なのだという。
特に地元で有名なのが、ひっそりと森の中に佇む階段井戸「Rajon Ki Baoli(ラジョン・キ・バオリ)」である。ここは今から約520年前、ムガール帝国最盛期に建設されたイスラム式の階段井戸で、井戸の周辺には多くの石工職人が暮らしていたことから「ラジミストリス(石工)の井戸」と呼ばれるようになったのだという。しかし井戸といっても、日本の縦穴につるべを垂らして水を汲み上げるものとは別物。地下深くの水面まで階段で降りる構造をした貯水施設なのである。
イスラム王朝の繁栄を現すかのような細かい彫刻やアーチ型の通路、さらには併設されたモスクから宗教施設としても機能していた歴史を持つラジョン・キ・バオリ。しかし地元では”死者が集まる場所”としても恐れられているのだ。


伝えられるところによると、この地に死者が集まるのは、井戸の水が赤褐色に変わる時である。季節や環境を問わず突然始まり、水を汲みに来た人間を井戸の中に引き込んでしまうのだという。水が赤く変色する理由については不明だが、その昔、建設事故で多くの作業員が命を落としていることから、彼らの血の色、つまり「呪い」として信じられているそうだ。
これだけならただの怪談話である。しかし、さらに怖いのはその呪いが現代まで続いている点だ。彼らの魂に引寄されられたのか、この井戸では自殺や殺人事件が今も、実際に頻発しているのだ。そのため夜になるとYoutuberなど、興味半分で訪れる人間が後を絶たないそうだが、かなりの確率で不気味な経験をしているという。




他にも、同じメフラウリ遺跡公園内にあるローディー朝からフユマーン皇帝時代に活躍した詩人ジャマリ・カマリのモスクでは、毎週木曜日に行われる礼拝で起こる怪現象が有名だ。「奇妙なささやき声を聞いた」「誰もいないのに背中を叩かれた」などが報告されており、夜になると誰もいないはずのモスクから悲しげな歌が聞こえてくることもあるのだという。

どちらも鬱蒼とした森の中に点在しており、夜はさぞかし不気味にだろう。今回のムー旅ではラジョン・キ・バオリも苔がかった緑色の水で、特に何事もなく取材を敢行することができたが、霊感があれば何か感じたのだろうか。行く機会がある方はぜひ訪れてみてほしい。

遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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