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韓国の宮殿遺跡から発見された人骨は、繁栄のために人柱となった生け贄だった? 古代史研究の重要な発見となるか。
世界各地の遺跡から出土している生贄、人柱となった人々の人骨。今から約1600年前の韓国・新羅(しらぎ)の時代の人柱にされたと思われる人骨が発見された。

発見されたのは、韓国慶州にある新羅第5代王・娑婆尼師今(ばさ にしきん)が築城した宮殿の跡地だ。その形から月城とも半月城とも呼ばれるこの都城址は、西暦101年に造られてから高麗に克服される935年まで、そのほとんどの新羅王が居住していたとされる王城である。
人骨が出土したのは宮殿の西門があった城壁の基礎部分で、この場所からは過去にも2体の人骨が出土していることから、人柱の儀式が行われていた可能性が非常に高いことが明らかになったのだ。
中国でも同様の人柱の記録が残されており、やはり門などの入り口付近に埋葬されることが多いそうだ。地盤を強くし、未来永劫の繁栄を願う意味が込められていることから、宮殿などを建築する時の儀式として新羅でも執り行われたのではないかと考えられる。
慶州国立文化遺産研究所の発表によると、今回発見された人骨は身長約135センチの20代の女性で、歯などの状態から栄養状況がよくないことがわかったため奴碑(ぬひ)など、身分の低い人物だった可能性が高いと推測されている。遺骨には抵抗したような跡は見られず、装飾品を身に着けた状態で仰向けに寝かされ、動物や、アルコールと思われる液体が入った壺とともに埋葬されたようだ。


他にも2017年には今回発見された場所から50センチほどのところで、50代の男女2人の人骨が出土している。調査の結果、足から少量のたんぱく質が検出されたことから、恐らく革の靴を履いて生活していた身分の者で、埋葬される直前に殺害されたことが明らかになったが、今回発見された女性との関係性は不明なようだ。
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これまで新羅における生贄や人柱の慣習について長いこと議論がなされてきたが、今回出土した人骨は貴重な発見となるだろう。
研究チームは新羅で行われていた人柱の慣習についてもさらなる調査を進めていくといが、今回の発表を見ると、焦点となるのは、どうやら人柱の慣習だけではなさそうだ。先述した通り、これらが建築時の儀式として執り行われていたとしたら、月城、しいては新羅の歴史が大きく変わる可能性が秘められているようなのだ。
その鍵となるのが、人骨と一緒に出土した壺である。詳しい成分分析の結果、壺は西暦300年から400年前半に造られたことが明らかになったのだが、これらがもし、建築時の儀式として埋葬されていたとしたら、西暦101年とされてきた月城の築城にずれが生じるというのだ。
慶州国立文化遺産研究所は、当時の慣習や今回の科学的な結果を踏まえ、月城の建設を300年代前半だと推測、その後50年ほどかけて完成させたのではないか、と発表しており、今後さらなる議論を重ねていくとしている。
韓国の歴史を語るうえで重要な月城だが、広大な敷地とその歴史の重さからほとんどが未踏のままである。月城には日本書紀にもその名を遺す百済(くだら)の聖王の首が埋まっているという伝説もあることから、今後さらなる調査に期待したいところだ。
(2021年9月27日 記事を再掲載)
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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