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国連の公式な会議の場に突如として現れた謎の国家「カイラサ合衆国」。その正体と建国の経緯、そして目的は!?
国連の機能不全が叫ばれて久しいが、ロシアによるウクライナ侵攻によって今改めてその存在意義が問われている。次の時代も「平和の番人」としての役割を果たせるのか、まさに正念場にある状況下、驚きの事実が明らかになった。なんと、国連の公式な会議の場に“正体不明の国”が出席していたというのだ。
異変は先月24日、スイス・ジュネーブで国連人権高等弁務官事務所が主催する「経済的、社会的および文化的権利と持続可能な開発に関する総評」の場、及び現地で開催されたもう一つの会合において確認された。
USK at UN Geneva: Inputs on the Achievement of Sustainability
— KAILASA's SPH NITHYANANDA (@SriNithyananda) February 25, 2023
Participation of the United States of KAILASA in a discussion on the General Comment on Economic, Social and Cultural Rights and Sustainable Development at the United Nations in Geneva
The Economic, Social, and… pic.twitter.com/pNoAkWOas8
一般討議が始まると突然、「カイラサ合衆国」のヴィジャヤプリヤ・ニトヤナンダ終身国連大使を名乗る女性が質問を求め、「先住民の権利と持続的発展」と題して演説を開始。「カイラサ合衆国」について、全ヒンドゥー教徒による主権国家であること、国民に対して食料やシェルター及び医療を無料で提供してきたと述べるとともに、いかに理想的社会を実現してきたか熱弁をふるったのだ。
女性の華やかな民族衣装、冷静かつ堂々とした雰囲気、そして流暢な英語など、たしかに一国を代表してやって来た人物として違和感は皆無。その周囲に座る各国代表者たちも、一部は馴染みのない国名に反応を示すが、大多数はまったく疑うことなく真剣に耳を傾けていた。では、この「カイラサ合衆国」とはどのような国だというのか?
「カイラサ合衆国」の建国者にして国家元首とされるのは、自ら“神人”を名乗る宗教指導者ニトヤナンダ・パラマシヴァム。1977年(1878年との説も)にインドのティルヴァンナーマライに生まれたニトヤナンダは、12歳で強烈なスピリチュアル体験を経て、22歳で完全に悟りを開き、24歳からヒンドゥー教の導師として本格的な布教活動を開始。すぐに信徒・弟子を増やすと、その翌年にはアシュラム(修道院)まで建設するほどの成長を遂げたという。

一方、ニトヤナンダは2010年に女性信者への性暴力で逮捕され、その数年後には子どもを誘拐してアシュラムに監禁した容疑で告発されている。ところが裁判の直前に姿を消すと、それ以来4年にわたり行方をくらませていたという。しかし、消息不明の期間にもニトヤナンダはSNSやYouTubeで説法を公開することで布教を継続、今でも信者は増え続けている模様だ。

そして2019年、ついに全世界20億人のヒンドゥー教徒のために“宇宙国家”創設を宣言したニトヤナンダ。ヒンドゥー教のシヴァ神が住むとされる聖地カイラス山にちなみ国名を「カイラサ合衆国」と定め、独自政府や省庁の発足と、金色のパスポート発給、首都機能を南米エクアドル沖合の島に置くと発表した(しかしエクアドル側はこれを事実無根と否定している)。
なお、ニトヤナンダと「カイラサ合衆国」は近年その主張を少しずつ過激化させているとの指摘もある。これまでに彼らは70件の暗殺未遂、250件の性的暴行、120件の冤罪、17,000時間を超えるヘイトクライム(ネット)、25,000を超える攻撃的記事(紙面)によって10年以上にわたり迫害されてきたと主張。さらにニトヤナンダへの攻撃はヒンドゥー教そのものへの攻撃とみなすと宣言している。
そして今年1月、「カイラサ合衆国」は突如として「米国も我々のことを国家として承認した」と発表。主張の背景には米ニュージャージー州ニューアーク市との間で結ばれた姉妹都市提携があったようだが、実質的にニューアーク市側が騙されていたようで、この合意は後に破棄されている。

まさに世界各国を巻き込んだ“お騒がせ集団”としか考えられないのだが、「カイラサ合衆国」の本人たちは至って真剣。それが今回、ついに国連にまで進出してきた形だが、なぜ参加が許されてしまったのか。国連当局者は「カイラサ合衆国」関係者の発言は不適切であり、会合の主旨から逸れるものであったと語っているようだ。
「カイラサ合衆国」が何を目論み、今後どのようなアクションを起こそうとしているのか、これからも“国民”が増え続けた場合に国際社会はどう対処すべきなのか? 動向を注視していく必要がありそうだ。
webムー編集部
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