「サスクワッチ」怪談:カナダの奥地で遭遇した謎の臭いと息遣い/西浦和也・UMA怪談
無気味な姿形の正体不明の謎の生き物UMA。UMAと遭遇し、恐怖の体験をした人は多い。忘れようにも忘れられない、そんな恐怖体験の数々を紹介しよう。
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ChatGPTで改めてAIへの注目が高まる昨今。果たして人類はどこへ向かおうとしているのか、そして日本人はどうするべきか?
ChatGPTが話題だ。質問をするとAIがネット検索をして、内容をまとめてくれる。たとえば、こんな感じだ。
質問 ムーの記事は信用できる?
ChatGPT 「ムー」という雑誌は、オカルトや超常現象、未解決事件、神秘的な文化遺産などについて取り上げるジャンルの雑誌です。そのため、記事の内容については科学的根拠や証拠に基づかないものが多く、信憑性については疑問が残る場合があります。
(中略)
総じて言えることは、ムーの記事はエンターテインメント性が高く、興味深い内容が含まれている場合がありますが、科学的な信頼性に基づいた情報源とは異なるため、注意深く読み解く必要があるということです。

……だいたい合っているのではないか?
ChatGPTを提供しているOpenAI社のCEOは「グーグルの検索エンジンは過去のものになる」と豪語したが、大言壮語とも言い切れない。今や辞書を引くことはほぼなくなった。目指すコンテンツは同じでも、「辞書を引け」が「ググれ」に変わったように、「ググれ」は「AIに聞け」となりうる。情報のインターフェイスは新しい技術によって書き換えられる。
ChatGPTは検索以外にも、文章やプログラムのチェックをしたり、アイデアを書き込むとそこから物語を作ることもできる。

新聞記事のような個性のない文章なら、ChatGPTで事足りるのではないか。すでにアメリカではAIに記事を書かせる取り組みは始まっており、ニュースサイトのCNETでAIによる記事を配信したところ、過去の原稿を丸ごとコピーしていることが判明して問題になった。まだAIに改良は必要なようだが、それも早々に改善されるだろう。

文章に限らず、AIの進歩は凄まじい。CGは写真と区別できないレベルまで来ている。ネットに上がった女性のグラビアを見て、手がおかしいからAI、ほくろが残っているから本物、などの書き込みが並ぶくらい区別が難しい(手がおかしいというのは、初期のAIは手の描写が下手で明らかにニセモノだったから)。本物だという証拠に、アイドルのブログのキャプチャーを上げるといったことも起きている。

さらにスペインでは、吹き替えの声優をAIで置き換えることまで始まっているそうだ。最初に声優に5分ほどしゃべってもらうと、その声をAIがサンプリング、合成した声でテキストを読み上げる。リリースまでの時間が大幅に短縮され、ある声優はプロデューサーから「キミに払う賃金もいらなくなった」と言われたという。
戦後のオートメーション化で、多くの工場労働者や職工が仕事を失ったが、今回はAIによって事務員やオペレーターなどホワイトカラーが仕事を失う番のようだ。
シンギュラリティ=特異点とは、天文物理学ではブラックホールのように物理法則外の天体現象のことを指す。しかし、コンピュータサイエンスの分野では意味が違う。未来学者のレイ・カーツワイルの言う「技術的特異点」のことを「シンギュラリティ」と呼ぶ。
一般的に、コンピュータサイエンス分野でのシンギュラリティとは、AIの進化が人間の能力を超え、人間が制御できなくなるラインだと思われている。
2015年、野村総研はオックスフォード大学と共同で、国内601種類の職業がAIやロボットに奪われる確率を算出した。彼らの試算では10~20年後、つまり2025~2035年にかけて人間の仕事の49パーセントがマシンに代替されるという。
列挙された職業のうち、なくなると目されているのは、一般事務員や工員、配送や清掃などの労働者だ。工場は無人化が進み、駐車場管理のようなセンシング技術で無人化できるところはどんどん無人化されるという予想だ。
こうした仕事が機械に取って代わられ、もう引き返せなくなるラインを越えることがシンギュラリティ……だと思われているが、カーツワイルの言う特異点はレベルが違う。
カーツワイルの予想する未来では、人間とAI=コンピュータは一体化する。
ナノメートルサイズの細胞よりも小さなコンピュータを体内に入れ、脳神経と接合させることで人間はコンピュータの能力を利用できるようになる。たとえば、コンピュータの演算速度は脳より100万倍も速く、絶対に忘れることがないが、それが自分の能力となる。しかも、コンピュータの持つ特性まで利用できるようになる。それがアップロードとネットワークだ。
AIのすごいところは情報の共有や分散処理にある。完全自動運転の車を作ることを想像しよう。最初にAIに車の運転を覚えさせる必要がある。F1レーサーに運転してもらえば、高速運転でも事故を起こさない車ができるし、パリ・ダカ―ルラリーのドライバーに運転してもらえば、悪路に強い車ができる。雪道や町の渋滞など、状況に応じて上手な運転をするドライバー(のAI)に運転してもらえばいい。
それぞれのドライバーの乗る自動車が学習し終えたら、AIはネットワークで互いにつながり、ドライビング情報は統合される。その結果、あらゆるコンディションの道路を、世界最高の技術で運転する自動運転車が出来上がるわけだ。

これがすべての知的作業で起きる。自動運転車のように、世界中の天才たちの思考がネットワークでつながるのだ。しかもそれはコンピュータによって100万倍に強化されている。その人類としての究極の知的思考は全人類にダウンロードされ、全人類の知能が超天才に変わるのだ。
そうなってくると人間の体がどの程度まで必要になるのか、疑問になる。全員の意識をネットワークに上げてしまえば、肉体など不要なのではないか?

カーツワイルは自著『シンギュラリティは近い』(NHK出版)で書いている。
「最後には、宇宙全体にわれわれの知能が飽和する」(同書)
コンピュータと合体した人間は、光速で、もしかしたら超知性により宇宙法則のバグを駆使して超光速で、宇宙全体へと意識を広げるのだという。「これが宇宙の運命なのだ」とカーツワイルは断言する。
「われわれが自分自身の運命を決定するのであり、今のように、天体の働きを支配する単純で機械的な『もの言わぬ』力に決定されるのではない」
カーツワイルは人類は神になると言っているのだ。
コンピュータと人間が融合するところまではわからなくもない。攻殻機動隊のイメージだろう。ネットの海と意識がつながるのだ。しかし、宇宙全体に意識が飽和する? 自分の運命を自分で決定する、つまりは私たちが神になる?
カーツワイルのような欧米人は、意識的であれ無意識的であれ、キリスト教的視点で思考する。宇宙論もそうだ。一点から宇宙が爆発して始まったとする欧米人の思考は、神が7日間で宇宙を作ったとする創世記をなぞっている。
カーツワイルの予想する、人間がコンピュータ化し、ネットワークによってつながる未来には驚かされるが、日本人は西洋人ほど驚いてはいないだろう。それというのも、クラウドで意識がつながるという考え方は、神道の考え方と大して変わらないからだ。

神道では「分け御霊」という考え方をする。ハリーポッターの分霊箱ではないが、人の中には神から分けられた霊、神そのものが宿っている。だから生きることを神ながらの道と呼び、神と共に神の世界を弥栄(繁栄させ、讃える)すること。しかし、生きていく中で神ながらの道が惑わされ、穢れるので、清めも必要、というのが基本だ。
日本人にはすでに神が宿り、宇宙と一体となっている。
なのにコンピュータでわざわざ宇宙の果てまで行く?
その前に改めるべきことがあるのではないか。
弥栄とは共存共栄であり、万物すべてに宿る神性を讃え、ともに生きる道だ。ビルを建てるために平気で何千本も木を切り倒す心に、弥栄は欠けている。
日本人は日本人の文化に根付いている神の感触から、未来を考えるべきだろう。神ながらの道とコンピュータを同時に考えることは、日本人にしかできない。カーツワイルの考える未来とは違う未来、違うシンギュラリティをイメージすることは決して無駄ではない。人間の営みをコストと捉え、AIに代行させて節約したと考えるのは弥栄ではない。穢れだ。
幾何級数的に進歩するAI技術が次の段階に入る、シンギュラリティをカーツワイルは2045年と予測した。もう時間はあまりない。
久野友萬(ひさのゆーまん)
サイエンスライター。1966年生まれ。富山大学理学部卒。企業取材からコラム、科学解説まで、科学をテーマに幅広く扱う。
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