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日本を代表する魔女にして魔術師・ヘイズ中村氏が、ハロウィンについて指南する集中連載! 第3回は、「ハロウィンにおすすめの仮装」がテーマです。
多くの日本人が誤解していることだが、海外のハロウィンは主に子供のためのお祭りだ。大人が仮装やメイクをして大騒ぎするのは、ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジのハロウィンパレードくらいで、日本のように誰もが気軽に、というわけではない。となると、ハロウィン用のメイクという発想には少し無理があるかもしれない。 では、本格的にサーウィンを祝う魔女たちはどうなのだ? サバトではどんなファッションをしているのか?という疑問も湧くだろうが、その点については後述しよう。

前述のような理由から、ハロウィン用のメイクというものは、正式には存在しない。当然、呪術的な仮装というものも確立してはいないだろう。 だからといって、諦める必要などこれっぽっちもない。最近の風潮では「Big in Japan!(日本で大流行!)」、とくにサブカル界での動きは、世界の流行を牽引することさえある。ということでこの際、胸を張ってハロウィンの仮装魔術を考えてみようではないか!
化粧も仮装も、その根本は呪術的なものだ。古墳時代の埴輪には頬紅が塗られていたし、古代の王族は、庶民と自分たちを区別し、自らを神の化身に作り替えるために、強い色彩を使って顔や体を彩り、自分たちの姿を神々に近づけた。
社会が複雑化した現代では、化粧をしただけで神々になれるほど人間心理はシンプルではないだろうが、そこに適切な手順を組み入れれば、まったく違った効果が生まれるはずだ。
まずは仮装から組み立てていこう。最近は安価で使い捨ての衣装などが気軽に手に入るせいか、仮装=コミカルといったイメージが強いようにも思える。
だが、子供のころの自分を少し思いだしてみよう。玩具屋で買ってもらったベルトや王冠を身につけるだけで、お気に入りの物語の主人公になれたような気分になったのではないか? あるいは、少し年配の方々ならば、風呂敷の端と端を首の前で結び、マントのようにたなびかせて走り回るだけで、世界を救うスーパーヒーローになれたのではないだろうか?
そうした効果を思いだせば、仮装の狙いは笑いを取ることではなく、なりたい自分に変身することだとわかるだろう。

ということで、仮装魔術の第一歩は、なりたい自分、夢に描いている自分に近づくための仮装をすることだ。
そうなれば当然、メイクもそれに合わせることになる。たとえば「人を助けたい」と願って医師や看護師の仮装をしたのに、歌舞伎のような隈取りメイクでは効果が期待できない。俳優になったつもりで理想の自分になりきり、鏡の前でポーズをとり、パーティーなどでもそのように振る舞おう。
ハロウィンの時期には、現実と幻想が混ざりあう。「ごっこ遊び」でも真剣に実行すれば、そこに奇跡が起こる可能性はあるかもしれない。
さて、ハロウィンならぬサーウィンで本格的なサバトを実践している魔女たちは、どんなメイクをしてその日に臨むのだろうか?
まず、魔女たちの多くは自然派であり、普段からノーメイクの人が多い。また普段はメイクをしていても、サーウィンのような大サバトには素顔で臨む場合も多く、あまりこの点では参考にならないだろう。
同じような理由で、着飾って大サバトに参加することも少ない。場合によっては「スカイクラッド」といって、全裸で儀式を行うこともあるほどなので、ファッション面でもあまり参考にはならないかもしれない。

ただ、服を着るか着ないかはともかく、祖先の霊や精霊たちと交流するこの日、生まれたままの自分に戻り、静かに瞑想してみるのは決して無駄ではない。パーティーが終わったら、自室でそのような時間を持つのもよし、あるいはひとり静かに入浴して身を清めてから、秋の終わりに自分と向きあうのもまた、有益だろう。
ヘイズ中村
魔女・魔術師・占い師・翻訳家。中学生頃から本格的に西洋密儀思想の研究を開始。その後、複数の欧米魔術団体に参入し、学習と修行の道に入る。現在はタロットを使った魔術的技法に関する本を執筆しながら、講座などでの身近な人との触れあいを大切に活動中。
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