君は霊界のご近所付き合いについて考えたことはあるか?/大槻ケンヂ「医者にオカルトを止められた男」新5回(第25回)
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成泰 著
タロットのルーツはグノーシス主義にあった
自慢ではないが、評者はこれまで、数多のタロット本を、それなりに読み込んできた。そんな評者が、一読、天を仰いで感泣させられたのが、本書である。正直、評者は永年にわたりまさにこのようなタロット本の登場を渇望していたのだ。
本書は、大アルカナ22枚のそれぞれを美術史学の手法で分析し、図像の元となった美術作品を特定するとともに、図像に秘められた思想的メッセージを浮き彫りにしてゆく。
そして、タロットという体系のルーツそのものが、グノーシス主義とその流れを汲むカタリ派の神秘思想にあったことが、説得力豊かに示されるのだ。優れて学術的でありつつ、文体は平明、内容は極めてユニークかつ斬新、これまでどこのだれにも為し得なかった偉業である。
著者の成泰氏は本場イタリアで美術史を学んだ建築士で、英・独・仏・伊・露語に通暁する才人。まさに、この人にしてこの偉業有りというところである。
それと評者としては、展開法の解説に「動的展開法」が含まれているのがありがたかった。
なお、本書と並行して、マルセイユ版をベースとするNaritaiオリジナル・タロットも製作されている。その頒布については、X(旧twitter)などで告知されるというから、こちらも要注目である。
いずれにせよ、日本人の手でこれほどのタロット本が書かれたという事実を、ここは素直に言祝ぎたい。

(2023年11月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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