「呪術の世界史 神秘の古代から驚愕の現代」/ムー民のためのブックガイド
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青山和夫 監修
メソアメリカの古代文明に関する最新情報を掲載
学問の発達は日進月歩。たとえば本書の主題である「マヤ文明」の起源にしても、近年のさまざまな発掘調査や、「レーザー測量」などの最新技術により、ここ20年足らずの内に、何と一気に500年も遡ることとなったという。ことほどさように、読書人たる者、常に知識のアップデートを心がけておきたいところである。
そんなわけで、本書である。本書はマヤ文明、サポテカ文明、テオティワカン文明、アステカ文明という、メソアメリカを舞台に花開いたさまざまな文明について、最新の情報をコンパクトにまとめた必携書である。(なお、インカ文明に代表されるアンデス文明については、標題通り、本書の取り扱い範囲外である)。
「カラー版」と銘打たれているとおり、図版はほぼすべてがフルカラー。判型の関係上、迫力に欠けるのは致し方ないが、その美しさと珍しさは折り紙付きで、中には監修者自身の撮影による写真もある。評者は、色鮮やかなテオティワカンの住居壁画に、とくに感銘を受けた。
かつての世界史では、堂々と「世界四大文明」が教えられていた。だがそうした文明観は、今では時代遅れである。
本書で紹介されるメソアメリカの古代文明は、いわゆる四大文明とは違って、金属器こそ持たなかったが、石器だけを用いて超高度に洗練された文明を築き上げていたのだ。本書は、読者の文明観そのものを揺さぶる力を秘めている。

(2023年10月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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