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馬渕睦夫 著
ディープステートなるものの暗躍を丹念に追った一冊
2021年11月号の本欄で、同じ著者による同じ標題の著作をご紹介した。同書は2021年6月の発刊であるが、驚くべきことに、2022年2月から開始された、ロシアによるウクライナ侵攻をきれいに予言していた。本書は同書を元に、最新の情報と考察を盛り込んで、加筆修正を加えたアップデート版である。
著者によれば「ディープステート」とは、アメリカの「国民の持つべき意見を陰からコントロールする『目に見えない政治機構』」であり、「アメリカの真の支配者として君臨する」「闇の勢力」。その存在については、トランプ元大統領も公然と明言している。
本書は、ここ100年間のディープステートの暗躍を、圧倒的な資料に基づいて丹念に追う、ディープステート研究の基本文献である。本書によれば、20世紀における2度の世界大戦やロシア革命、中国の共産化、東西冷戦などのさまざまな戦争や動乱は、いずれもディープステートが裏で糸を引いていた。当然、現在のウクライナ戦争も然りである。
そして著者は、ウクライナの次の戦争は、中国による台湾侵攻ではなく、むしろ第2次朝鮮戦争になると予想する。
著者の馬淵睦夫氏は元外交官で、かつて駐ウクライナ大使や防衛大学校教授を務めた、いわば日本で一番ウクライナを知る人物。そんな人物の鳴らす警鐘であるがゆえに、本書の主張は傾聴に値する。

(2023年9月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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