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島田裕巳 著
日本の「最強」の神々というのは、実は「最恐」
「最強神社」とはまた聞き慣れない言葉だが、これは著者の造語であり、「『古事記』『日本書紀』に登場する太古の神々を祀っている神社」を指す。そして「最強」の名に相応しく、これらの神社には他の多くの神社にはない力と役割、そして深い謎がまとわりついている。
たとえば、天照大神は皇祖神でありながら、明治天皇以前の天皇はだれひとりとして、伊勢神宮に参拝していない。いったいそれはなぜなのか。
暴力的で疫病を引き起こす神でもあり、後牛頭天王と習合した須佐之男命の正体とは何か。
縁結びの神社として知られる出雲大社の祭神・大国主神の二面性とは。そしてなぜ、出雲大社はあれほど高い本殿を必要としたのか。
浅間神社と木花之佐久夜毘売、そして富士信仰の背後にあった、葛藤と対立の歴史とはどのようなものか。
これらの謎をたんねんにたどっていくと、日本の「最強」の神々というのは、実は「最恐」であり、元来は恐ろしい祟りをなす存在であったことがほの見えるのだ。
著者の島田裕巳氏は、宗教学者としてつとにお馴染みで、宗教を主題とする一般向けの啓蒙書を多数出版している。
そんな著者によれば、「最強神社と太古の神々を知れば、参詣・参拝など神社との向き合い方が大きく変わる」という。ここはひとつ、著者の挑発にあえて乗り、神社との向き合い方を変えてみようではないか。

(2023年8月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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