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それは、いつか必ずやってくる。
時は延暦19年。駿河国の牧で馬を養って暮らしている鷹取は、ある日突然富士山から噴煙があがるのを目撃する。そのまま降り注ぐ焼灰にまみれ意識を失ってしまうが、一帯ではさらに不穏な事態が続発していたーー。
直木賞作家澤田瞳子さんの新作『赫夜』(かぐよ)は、平安時代に日本を襲った富士山噴火を題材にした歴史パニック長編。江戸中期以来鳴りを潜めているが、富士山は本来太古から幾度となく噴火を続けている日本有数の活火山でもある。いつ何時次の噴火があってもおかしくないといわれ続け、近年はまた不穏な予知・予言も観測されているが……。澤田さんの作品といえば、平安時代の天然痘パンデミックを描いた『火定』(2017年刊)が、まるで数年後のコロナ禍を彷彿とさせる内容だったと話題になったのも記憶に新しい。過去にあった災害は、決して「終わった話」ではない。そんなことを考えながら読むとあらためて恐ろしさがリアルに迫ってくる平安ディザスター小説だ。ムー的には謎多きエミシの長・阿弖流為(アテルイ)が登場するのも気になるポイント。
『赫夜』(澤田瞳子著、税込2,420円、光文社)

webムー編集部
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