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ボリビアの農場で使われる器に、なぜシュメールの文字が記されているのか。人類の足跡を問い直すオーパーツの謎に迫る。
南米アンデス山中、標高4000メートル近くの高地に広がるチチカカ湖。いまだ解明されていない謎多き古代遺跡が点在していることで知られているが、今回改めて過去の出土品を調査したところ、人類の歴史にそぐわないオーパーツが存在していたとして話題になっている。
「これは人類史をも変える発見です」
そう主張するのは、南米考古学の専門家クライド・ウィンターズ教授とベルナルド・ビアドス教授である。彼らは、1958年にボリビア・ラパスで発見された石器製の器を調査、分析したところ、紀元前2500年ごろに作られたものであることが判明。碑文からティワナク文明の前身である古代プカラ文字と、古代シュメールの楔形文字の2種類が刻まれていることが明らかになったという。
出土した地名から「フエンテ・マグナ」と名付けられたこの器。チチカカ湖からほど近い農場で家畜の餌を入れる器として使用されていたというから驚きである。後年、土地の所有者が変わる際にラパス市内の貴金属博物館へ寄贈されたものの、“解読不可能”として隅に置かれていたそうだ。
発見から解読まで長い時間を要してはいるものの、保存状態は意外と悪くないという。器中央に彫刻された両手両足を広げた大きな目の生物は、出産の象徴であり、シュメールの女神「ニア」を描いているとされる。また、碑文を解読した結果、「聖なるニア。ここに水を捧げる。神・ニアの偉大なる加護。清な捧げもの。神の力の驚異的な善が宿る」と刻まれていたことから、五穀豊穣を祈る儀式で女神ニアに献酒を捧げるための器だった可能性が高いということだ。

ペルーとボリビアにまたがり琵琶湖の約12倍の面積を持つチチカカ湖は、インカ発祥の地であり創造神ビラコチャが降り立ったという伝説を持つ聖地である。
しかしながら彼らの推測が事実だとすれば、シュメールという遠く離れた場所の文字をフエンテ・マグナに刻んだのは、誰が、どうやって行ったというのだろうか。

「これは南米のロゼッタストーンですよ」
ビアドス教授はフエンテ・マグナの製作者を「紀元前2500年ごろにボリビアに移住したシュメール人で間違いない」と断言。これはその昔、錫(すず)を求めチチカカ湖周辺へと入植した古代シュメール人の古代都市「Kuga-ki(ク・ガキ)」の遺物であり、その起源を辿ることで消えたシュメール人の謎の解明にも近づくと主張しているのだ。

一部の古代シュメール人が海を渡り、南米へたどり着いた——。ビアドス教授の“チチカカ湖ク・ガキ説”はあまりにも突飛だとして、正統派考古学からは認められていないのが現実のようだ。
だが、アフリカからユーラシア大陸を東西へ、ベーリング海峡を越えて、またはは太平洋をこえてアメリカ大陸へ、という人類の拡散は学術的にも確度が高い。
それに、エクアドルの黄金板で知られるクレスピ神父のコレクションも古代シュメール文字で解読できていることから、そこまで突飛な説ではないだろう。
今でもチチカカ湖では湖底や湖畔で多くの遺物が発見されているが、周囲では建造の謎が解明されていない巨石遺跡「ティワナク」や、地底世界へ繋がっているという「アラム・ムル・ドアウェイ」、さらには異星神が建築したという古代都市「プマプンク」など謎めいた古代遺跡が点在しているのはただの偶然だろうか。
まさに人類史の謎に一石を投じる発見となったフエンテ・マグナ。今後さらに調査に期待したいと思う。

遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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