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中島和歌子 著
平安時代に的を絞った、現実の陰陽師・陰陽道の実態
「陰陽師」といえば、多くの人が連想するのが平安時代の安倍晴明であろう。説話やフィクションの中では超人的な活躍を見せる晴明。だが実際には(狭義の)陰陽師とは「陰陽寮」と呼ばれる役所に勤務する官吏に過ぎなかった。本書は平安時代に的を絞り、現実の陰陽師・陰陽道の実態を探る試みである。
本書では、主として陰陽師の仕事を「占い」「まじない」「日時・方角禁忌と暦」の3分野に分類。それぞれについて、文学作品や幼学書などの豊富な資料に基づいて、詳細に考察。陰陽師の実像を明らかにしていく。
皇族や貴族は陰陽師に何を求め、そして陰陽師はそれに対してどう応じたのか。その探求を通じて、「文学作品の背景でもある平安時代の貴族の心理や生活、社会の一端を明らかにする」という趣向である。
本書はあくまで一般向けの解説書という体裁だが、その記述はむしろ学術書のそれに近く、決して万人が気軽に読めるというものではない。大学の一般教養の講義テキストとしても通用するレベルといえば、ご想像いただけるだろうか。読者の側にも、日本の歴史や文学に関するそれなりの知識と教養が要求される。
なお、「陰陽師」という漢字語を見れば、ほぼすべての人が「おんみょうじ」と読むだろうが、この読みは実際には中世以降の連声による訛りであるとして、平安時代を主題とする本書では一貫して「おんようじ」が採用されている。さすがである。

(月刊ムー 2024年9月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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