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謎の吸血UMAの正体に迫る大胆な新説が、あの有名ホビー雑誌に掲載された! クリエイターが生物としてのリアリティを徹底追求した先に見出した、チュパカブラの「真の姿」とは?
中南米諸国を中心に多くの目撃情報がありながら、いまだ謎の多いUMA、チュパカブラ。
あらためて簡単に特徴をならべてみると、
・大きな赤い目を持ち、背中にトゲがある。
・ヤギなどの家畜を襲う吸血生物である
・体長は1メートルほどで、異常な跳躍力がある
・小さな嚙み跡を残して消え去る
・コヨーテのような姿でも目撃されている
といったところだが、目撃証言には食い違う部分も多い。
そんな錯綜した情報を包摂しつつ合理的に解釈できる新たな説が、造形作家の山本翔氏から提唱された。
生物造形を得意とする山本氏は、一見矛盾した情報も可能な限り落とし込み、生物としても存在しうるチュパカブラの姿を考察。導きだされたのは、「チュパカブラは全長15センチほどの、無毛の吸血生物である」という大胆な説だ。これに基づき制作されたフィギュアとともに、その特徴を確認しよう。
まず、生物学的にみて吸血動物は大型化が難しい。吸血は栄養摂取効率が悪いためで、山本氏はそこからチュパカブラのサイズは15センチ程度ではないかと推測。目撃情報については、混乱した状況で大きさを過大に誤認し、赤い目の印象が強く残ったものと想定した。

上記のように背中をつままれた状態でも造形表現を試みた。ラボ内での一場面のような演出となっているが、これはチュパカブラに「軍事施設でつくられた実験動物」との説もあるため。これだけ高度な機能を備えた生物はやはり人工的に手が加えられているのではないか……そんな想定も組み込まれた造形なのだ。

吸血のための器官としては、鋭い歯と、腹部の袋を採用した。体勢を保つのに使う尾には滑りどめのトゲもあるようだ。
チュパカブラが吸血する際には体を固定する必要があるが、そのために使われるのが体長の割に大きく、平たい尻尾だ。キツツキが木に穴をあけるときの尾の使い方を参考にしたもので、鋭く大きなかぎ爪とともに姿勢を保つ役割をはたす。またこのかぎ爪は、コヨーテなどの肉食獣に嚙まれたような傷跡を残すことになる。
全身に毛がないのにも理由がある。吸血のため獲物の毛に潜りこむには、無毛のほうが好都合なのだ。また毛に血がこびりついて雑菌がわくといったリスクを低下させる意味もある。チュパカブラには「疥癬にかかって毛が抜けてしまったコヨーテ」とする説もあり、無毛はこれを踏まえたものにもなっている。
腹部の大きなふくらみは鳥類がもつ気嚢に似た器官で、これを使ってポンプのようにスムーズに吸血をおこなう。全体のシルエットはガラゴリスなどの原猿類に近いが、これにより大きな跳躍力も得られている。さらに脇には皮膜がありムササビのように滑空することもでき、「翼があって空を飛んで逃げた」との目撃情報もクリアしているのだ。
この造形作品は、ホビージャパンMOOK「H.M.S. 幻想模型世界UMA-未確認生物-」誌に掲載されている。山本氏をはじめ、有数の作家陣が表現したUMAの真の姿から、新たな視点で未確認動物の研究が深まりそうだ。


H.M.S 幻想模型世界 UMA‐未確認生物‐
ホビージャパン刊の立体作品集。山本説チュパカブラをはじめ、モスマンやフラッドウッズ・モンスターなど世界のUMAが多彩なクリエイターによりユニークに再解釈される。UMA研究家・中沢健氏の解説も収録。
山本翔(ヤマモトショウ)
会社に勤めながら、主に生物をモチーフにした造形作品を制作するクリエイター。生物として存在しうるイメージで妖怪や幻獣などのフィギュアなどを手がける。
下の写真はゾウの頭部をモチーフにした作品「サイクロプス」。

(月刊ムー 2024年5月号より)
高野勝久
ライター、編集者。日本の歴史や神話をメインフィールドに活動。
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