昔話に記される”事故物件”!? 住人を不幸にする祟りの妖怪現場/黒史郎・妖怪補遺々々
ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 今回は、「死んだ者が祟る恐ろしい地」を補遺々々します。
記事を読む

日本各地に残る超大型巨人の伝説。そんな伝説を体感できる場所が茨城県にあった。
巨大な体で大地を自由に歩き回り、土を盛り上げては山を作り、足跡は大きな池になる。日本には、とてつもないスケールの巨人伝説が全国各地に残されている。
デエダラボッチ、ダッタイボウ、ダイダラボッチなど呼び方もさまざまだが、そんな規格外の巨人の姿を体感できる珍しいスポットが茨城県に存在している。場所は戦車アニメの聖地、またこの時期はあんこう鍋の名所としてもおなじみの大洗の近く。大洗海岸から内陸に4キロほどのところに位置する、大串貝塚ふれあい公園(水戸市)だ。

駐車場から、水戸市埋蔵文化財センター前を通って奥に進んでいくとみえてくる巨大な白い背中。これが公園につくられた「ダイダラボウ」像だ。高さは15メートルとちょっとしたビルくらい。ぐるっと正面にまわりこむと、巨人に見下ろされているという迫力、生々しい圧を感じることができる。


この公園、一部には「珍スポット」としても有名になっているのだが、しかしなぜこの場所に巨人像がつくられたのか。じつはここは、日本でも最古級の巨人伝説を伝える由緒正しい巨人スポットなのだ。


その伝説が記されたのは『常陸国風土記』。いまから1300年前、朝廷の命をうけて地域の地理や伝承をまとめて国ごとにつくられたのが風土記で、日本では『古事記』や『日本書紀』とならぶ最古級の書物になる。
つまりここは、記録でさかのぼれる最古の巨人伝承の地ということになるのだ。
その伝説の内容は、以下のようなもの。
平津の駅家から西に1、2里のところに、大櫛という岡があった。ここにはその昔とてつもなく巨大な人が住んでいて、岡の上にいながらハマグリをとって食べていた。その貝殻は積もって岡となった。巨人の足跡は長さ三十歩、広さ二十歩以上あり、小便をしたあとに開いた穴は二十歩ばかりだった。

公園には、名前の由来にもなっている大串貝塚という縄文遺跡がある。この貝塚が風土記に書かれた「大櫛」の岡ということで、昔の人々は膨大に貝殻が積み重なった貝塚を、巨人が貝を食べた名残だと考えてこんな伝説を生み出したのだ。



しかし、貝塚から最も近い海岸まではざっと4キロ、河口まででも3キロほどある。古代の海岸線がもっと近かったとしても、大櫛の岡から手を伸ばしてハマグリをとっていた巨人の身長はいかほどだったか。公園には巨人の足跡形につくられた池もあるのだが、この足のサイズがリアルだったのかもしれない。十分インパクトのある公園のダイダラボウ像でも、相当縮小されたミニチュアモデルだったということになるわけだ。


ダイダラボウにはさまざまな呼び方があるが、そのひとつが「デイダラボッチ」。デイダラボッチといえば、映画「もののけ姫」に登場したシシ神の夜の姿だ。


大串の巨人もあのように不定形な伸縮自在タイプだったとすれば、丘の上から海岸まで手を伸ばすことも可能だが……。単純な超大型巨人か、より異形の邪神型か。古代の人々は、この丘にどんな巨人が座る姿を想像していたのだろうか。


webムー編集部
関連記事
昔話に記される”事故物件”!? 住人を不幸にする祟りの妖怪現場/黒史郎・妖怪補遺々々
ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 今回は、「死んだ者が祟る恐ろしい地」を補遺々々します。
記事を読む
水上都市ネットワークとピラミッド神殿! アマゾンに消えた「古代ホモス文明」の謎/MUTube&特集紹介
アマゾン源流域に重なる「モホス大平原」では、謎の先住民族文明を築いていた!?研究年月も短く情報も少ない「古代モホス文明」。本誌の独自取材で得た貴重な最新情報を三上編集長がMUTubeで解説。
記事を読む
サンタクロースは冬至の来訪神だ! 異界からの豊穣と復活を迎えるクリスマスのルーツ/遠野そら
サンタクロースの起源として知られるクランプスをはじめ、冬至の来訪神を紹介。おそろしい彼らがもたらすのは春に向けた豊穣である。
記事を読む
「米の有人月面着陸は嘘だった」前ロシア宇宙機関トップがついに明言! 有名陰謀論に大きな転機か
アポロ計画の有人月面着陸は「なかった」――ロシアの前宇宙機関トップの発言が世界を駆けめぐっている。有名な陰謀論に転機か――!?
記事を読む
おすすめ記事