クセ山の「七人禁忌」と「八蔵杉」の怪/黒史郎の妖怪補遺々々
ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 今回は、「山の禁忌」から生じた怪異を補遺々々します。
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地下世界に住むアリや“グレイ”に似たヒューマノイドがアメリカ先住民の伝承に登場している。彼らは地球外からやって来たのか。そして今も地下世界に住んでいるのだろうか――。
アメリカのいたるところで、細長い胴体、大きな目、場合によっては触角が突き出た頭を持つアリに似たヒューマノイドを表すペトログリフ(岩面彫刻)やロックアート(岩絵)が見つかっている。これらの絵は“アリ人間”の種族を表したものなのか。とすれば、それは人類がまだ見ぬUMA(未確認生物)ということになるのか。
あるいはエイリアンの代表的なイメージである“グレイ”に似ていると言えるかもしれない。古代、地球に舞い降りた“古代宇宙飛行士”はアリに似た“グレイ”タイプのエイリアンだったのだろうか。それとも単なる人類の普遍的な集合的無意識の創造物に過ぎないのか。
現在のブラジルとペルー一帯の先住民族であるフニ・クイン族(Huni Kuin)にも、痩せていて頭が大きく、巨大なアーモンド形の目をしている“グレイ”のようなヒューマノイドの言い伝えがある。
ブラジルのライブ配信番組「Paranormal Experience(パラノーマル・エクスペリエンス)」が企画した先住民族に関する番組の中で、アマゾンのフニ・クイン族の2人、バイナワ氏とサメ氏がゲストとして招待されてインタビューに答えている。彼らによると、この“グレイ”タイプのヒューマノイドは「マンクナワブ(Mankunawabu)」と呼ばれる存在であるという。
「マンクナワブです。それは大きなアリで、地下に住んでいるのです」と、フニ・クイン族のシャーマンであるバイナワ氏は説明する。
「このアリは、人の魂を地下へとさらって行ってしまう可能性があるため、非常に危険です。さらわれた魂を連れ戻すには熟練したシャーマンが必要です」とセイム氏は捕捉している。
彼らによれば、マンクナワブは神聖な光を発し、我々が接触できる存在であり、地下に住んでいるということだ。
基本的には狩猟採集民であるフニ・クイン族だけに、狩猟の最中にマンクナワブに遭遇することも珍しくないのかもしれない。そして、その中のある割合の人々は地下世界に連れて行かれてしまうということだろうか。とすれば“エイリアン・アブダクション”にも通じるストーリーであるのかもしれない。
このフニ・クイン族の話題を取り上げたスペイン語メディア「Mystery Planet」の別の記事では、同じくアメリカ大陸の先住民族であるホピ族に伝わる「アントピープル(Ant People)」信仰についても解説している。
アントピープルはオリオン座からやってきた存在であるともいわれており、ホピ族にとって最も重要な星座であるオリオン座は、彼らの言葉で「吊るす」または「3つ」を意味しているという。
これはオリオン座にある代表的な3つの星を指している可能性があり、アリの頭、胸部、腹部の3つの部分からなる形状を指しているということだ。
ホピ族はキバ(kiva)と呼ばれる半地下の部屋で神話や伝説を語り、伝統や歴史を覚え、儀礼や祭祀の意味と役割を学び、物事を決め、意志の交流を図っている。さらに、キバで糸を紡ぎ、織物を織り、鹿革靴を縫い、農具の修理をしている。日々の暮らしの要となっているこのキバは、蟻の巣をモチーフに作られたものであるという。
ホピ族は毎年2月、キバの中でダンスを繰り広げる祭りの儀式を行っている。この儀式はアントピープルがホピ族に豆を発芽させる方法を教えたことを記念している可能性があるということだ。
ホピ族が避難所とした洞窟のようなキバは、もともと“古代宇宙飛行士”が作った蟻の巣だったのか。とすれば、キバからさらに地中奥へと繋がる地下世界には、今も彼らが住んでいるのだろうか。
地下世界に住む“グレイ”や、アリに似たヒューマノイドが南北アメリカ大陸の先住民の伝承で共有されているのは興味深い限りだ。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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