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田中英道/茂木誠 著
「田中史観」を対談形式で紹介する一冊
著者・田中英道氏は、フランス、イタリア美術研究の第一人者であり、50年にもわたって学問の最前線に身を置いた、いわば現代に生きる「知の巨人」。
氏が提唱する「田中史観」によれば、紀元前13世紀から紀元5世紀の間に、故郷を追われたユダヤ人が5波にわたって日本に渡来し、そして日本人と同化した。ディアスポラの悲哀を生きた彼らは、この日本列島に楽園を見出したのだ。かくして彼らは爾後、日本の発展のために力を注ぐこととなる。
著者によれば、スサノオやヤマトタケル、稗田阿礼、太安万侶、武内宿禰など、日本人に同化したユダヤ人は枚挙に暇がない。古代日本におけるユダヤ人の活動を知り、この観点から歴史の真実を読み解いていく上で、「田中史観」ほど説得力あふれるものは他にないだろう。
本書はこの「田中史観」の枢要を、対談形式で語り尽くした一冊である。聞き手の茂木誠氏は作家であり、大手予備校で世界史を講ずる、歴史のエキスパート。
「田中史観」に関する田中氏の著書は、これまでに本欄でご紹介したものも含めて数多い。その中には学術論文もあれば、一般向けのわかりやすい解説書もある。その中であえて本書を推す理由は、何しろ対談形式であるから、時折の脱線なども含めて、親しみやすさが頭抜けている点だ。手軽な「田中史観」入門書として、好個の一冊である。

ワニブックス/1870円(税込)
(2023年11月号掲載)
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