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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
ドナルド・マイケル・クレイグ 著
だれもが実践魔術師になれてしまう、驚異の魔術書
何ともものすごい魔術書が登場したものだ。本書、『モダンマジック』は、まさに実践魔術の最高の教科書。全体が合計12項の魔術レッスンから構成されているのだが、そのひとつひとつが、ともかく膨大かつ浩瀚。レッスン1の概要を記すだけでも、本稿の紙数がすべて埋まってしまう。
著者クレイグによれば、「魔術とは、現在のところ従来の西洋科学では理解されていない方法を用いて、意志に従い(意識の)変化を引き起こす科学にして技術である」とのこと。さらに著者は「本教程は数千冊にも上る魔術書の中で最良のもの」である、と断言もしている。それが嘘ではないことは、本書に序文や推薦文を寄せている魔術師たちの錚々たる顔ぶれを見ても明らかであろう。また、この膨大な量の翻訳作業に当たられた翻訳者の方々もいずれも実践魔術師であるから、信頼度が違う。
文字通り本書一冊、それに相応のやる気さえあれば、だれもが実践魔術師になれてしまう、驚異の魔術書である。今後「魔術」といえば、本書を抜きにしては語り得ぬであろう。
これからひとつ魔術でも、と思いたった若い日本語話者の方は、実にうらやましい。昔の魔術ファンが、「最良の魔術書」の入手にどれほど苦労していたかを思えば、何ともよい時代になったものである。
最後に標題だが、マジックの綴りが、通常のmagicではなく、magickとなっているところに、こだわりを感じた。

(2023年8月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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