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ウミネコの繁殖地にある八戸市蕪島の蕪嶋神社は、特異な開運スポットであるーー。
八戸市鮫町の海岸沿いを行くと、海に突き出した丘の上へ、まっすぐ伸びる石段がある。蕪島と呼ばれる一帯全体は、丘の上に建つ蕪嶋神社を中心とした神域だ。
急な石段を上がれば、強い海風が吹き付けるそこは下界と隔絶された場所としての趣がある。
ここ蕪島は、大正8年に橋が架けられるまでは船で行き来する、文字通りの島。昭和18年からの埋め立て工事によって現在のような陸続きとなった。
ーーそんなことを言っている場合ではない。
そもそも、蕪島に近づいた段階で、空から「ミャアミャアミャア……」という鳴き声が刺さってくる。見上げれば、いや、見上げなくとも足元にまで、大量のウミネコが埋め尽くしているのだ。ウミネコたちは人に慣れ切っているので、近づいても逃げることはまったくない。むしろ下手に近寄れば逆襲のごとくツンツンとつつかれてしまう。
厳かな神域だと浸っていれば、たちまち天からの恵み(糞)に見舞われるだろう。石段の入り口、鳥居の脇には「貸し傘」コーナーがあるし、近くの観光施設ではビニールカッパが販売されているので、天からの恵みを望まない場合は備えが必要だ。


知る人ぞ知る珍スポット的な場所でもあるのだが、丘の上の蕪嶋神社は永仁4年(1269年)に海中から財弁天の尊像御鏡が浮かび上がって来たことを受け、「蕪嶋大明神本地辨財天」として祀った歴史ある神社。「蕪嶋の弁財天」として市杵嶋姫命(イチキシマヒメミコト)を御祭神とする。
当社では市杵嶋姫命を財運、厄除け、知恵・音楽・諸芸、交通航海に産業振興、五穀豊饒や富貴の守護神とし、また御神像の頭上に鳥居と男神を戴いて、夫婦円満や縁結び、子授け・安産の神としても親しまれている。
その子授けの御利益なのか、ウミネコは大繁殖。境内にも堂々と巣を作り、茶色い毛の雛と親鳥が仲睦まじく過ごしている。国の天然記念物として「蕪島ウミネコ繁殖地」に1921年から指定されているだけはある、圧倒的な数だ。


蕪嶋神社を訪れるなら、御利益を示すウミネコたちが元気な時期がおすすめだ。糞害に戸惑うことなく、節分から8月上旬まで、約4万羽が集まっている期間を狙ってほしい。ただし、無用に近づいて刺激はしないこと。
蕪嶋神社では、本殿の周囲を3周回ってから参拝する「運開きめぐり」でとさらに運が開けるという案内もある。一周3分もあれば十分なのだが、ぐるぐるしているうちに、ウミネコのフンに見舞われてしまう可能性は高くなる。そんなときも大丈夫。蕪嶋神社ではウミネコのフンが落とされた場合、「会ウン証明書」が発行してもらえるそうだ。境内から「七福の岩」を眺めつつじっくり3週してみよう。


また、蕪島の名にちなんで蕪の銅像、石像もあり、「株が上がる」ご利益スポットという位置づけも発生している。ここまでくればもうなんでもありだ。
青い空に舞う白いウミネコたちは天地の間にある使いのようであり、かつては島だったここが八戸で身近な異界であったことが想像できる。
八戸に来た際には、ぜひ「ウン試し」したいスポットだ。

公式サイト 蕪嶋神社 http://kabushima.com/jinjya/index.html
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