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世界有数のミステリー地帯、バミューダ・トライアングル。人生をかけてその謎の解明に挑む4人の男たちを追った、エキサイティングな最新ドキュメンタリーをレビューする。
フロリダ、バミューダ、プエルトリコに囲まれたバミューダ・トライアングルでは、無数の船や飛行機が乗組員や乗客ごと呑み込まれ、跡形もなく消え去るというケースが多発してきた。怪現象は100年以上続いている原因はいまだ明らかになっていない。


ヒストリーチャンネルの新シリーズ『バミューダ・トライアングル 呪われた海域』は、4人のエキスパートがこの世界一有名な魔の海域に最新鋭の機器で切り込んでいくハードコアなドキュメンタリーだ。文字通り世紀の謎解きに挑戦するのは、歴史研究家のデビッド・オキーフとウェイン・アボット、元空軍パイロットのジェイソン・ハリス、そして海洋学者でダイバーのマイク・バーネットから成るチームだ。筆者はみっつのエピソードを見たが、これまで行われてきた表面的な検証と一線を画す内容であることはまちがいない。


シーズンプレミアとなる初回は、バミューダ・トライアングルの謎に俯瞰的に触れ、調査メンバーの紹介を行い、航空機や船舶が消える理由について可能性がある仮説の概論的な部分をなぞっていく。初回からびっくりさせられるのは、行方不明になっている航空機に関する調査海域の海底でとんでもないものが見つかることだ。NASAも深く関わる近代史上稀に見る大きな事件に関する遺物、とだけいっておこう。2回目のエピソードからは、過去の事件について調査が行われていく。まず取り上げられるのは、バミューダ・トライアングルの海域を航行中の船舶が、突如として生まれる大波に呑み込まれて沈没したという例だ。
調査対象となるケースは、1918年に309人の乗組員と共に姿を消したUSSサイクロプス号という軍用の運搬船。バミューダ・トライアングルがある大西洋上は嵐が起きやすいことで知られている。洋上で起きた嵐の強風にあおられた波同士がぶつかり、増幅した結果高さ20メートルの大波が生まれることもあるという。単純計算でビル7階分に相当する巨大な波が生み出すパワーに打ち勝つことができる船舶はそうないはずだ。
3回目のテーマは海底にできた巨大シンクホール─巨大な穴─の数々だ。フロリダ半島沖合の大西洋には、洞窟を縦にしたような構造の無数の穴がある。こうした穴の構造と海流によって生み出される相乗的な作用によって船舶事故が起こり、行方不明になるのではないかという可能性が検証される。この海域では海流のスピードが異なる箇所がいくつかあるため、海面に巨大な渦潮が現れることも珍しくない。これに船が巻き込まれて海底まで引きずり込まれ、運が悪ければそのままシンクホールの底までいってしまうのではないか。話は、そういう見立てで展開していく。


シンクホールの底を調べようと試みたチームは、船上から操作するカメラ付きの潜水機械を駆使して調査を続けるが、バハマのディーンズ・ブルーホールというポイントを調査中に不思議な不具合が起きる。ケーブルなどの外部装置にも、内部の電気系統にも何の原因もないまま、映像信号だけが届かなくなってしまうのだ。しかも、全く同じ状況で全く同じ不具合が2回続けて起きる。
これを目の当たりにする視聴者は、ごく漠然とした形ではあるものの、魔の海域という言葉の意味合いを改めてかみしめるのではないだろうか。どのエピソードにも、ダイバーがかなり深くまで潜るシーンが出てくる。呼吸音まで聞こえてくるようなライブ感ある映像も印象的で、見ているこちらもペースを合わせてしまう。
海は地球の70パーセントを占める。大宇宙に向ける視線を水平線に戻した感がある新シリーズで、バミューダ・トライアングルの謎はどこまで解き明かされるのか。
バミューダ・トライアングル呪われた海域
原題:The BermudaTriangle: Into CursedWaters

フロリダ、バミューダ、プエルトリコに囲まれた、「バミューダ・トライアングル」と呼ばれる海域では、無数の船や飛行機、そしてその乗組員が飲み込まれ、中には跡形もなく消え去った謎の事件が多発。この呪われた海域を精鋭チームが科学的に調査し、未解決事件の解明に挑む。そして未だかつてない歴史的大発見を遂げる!!
ヒストリーチャンネルにて5/23(火)21:00より放送予定。
(「月刊ムー」2023年6月号より)
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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