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オカルティックな知識で株式市場は動いている!?
ここ最近、株式相場や金価格、仮想通貨といった、いわゆる投資投機に関する指標が日常会話に出てくるようになった。これは日本だけの現象ではなく、世界中でこれまで金融とは縁遠かった人々が市場に参入するようになった、ということの表れである。
たしかに日本でも1980年代のバブル期や、2000年代のITバブル期に似たような現象はあった。しかし現在のそれは、まったく別次元の状況といっていい。わかりやすくいえば、スマートフォンの普及により、だれでも簡単に投資投機市場にアクセスできるようになったためである。まさにこれこそが、市場参加人数を飛躍的に増大させた原因なのだ。
しかしその一方で、一般参加者と専業トレーダーの間には、埋めようがない情報の格差が存在していることはあまり語られることがない。

その情報格差とは、なんなのか。
読者は、シンクタンクが出す高額な中長期予測やインサイダー情報、あるいは特殊なAIを使用した超高速トレードなどを想像することだろう。
確かに、シンクタンクや格付け会社の情報の活用は勝率に直結するものであり、それを持っているのと持っていないのとでは、明らかに中長期的な株価の予測への影響が表れる。
また、AIを使った高速トレードや、「フィンテック」と呼ばれる機械化されたトレーディングシステムも、利益率に大きな差を生むであろうことは想像に難かたくない。さらにいえば、インサイダー情報は違法ではあるが、明らかに存在し、市場関係者のごく一部がこれを利用して不正に利益を取得していることも事実である。
だが、これらは決して決定打にはならない。現在ではネット上に、こうした高額な有料情報が無料で落ちていることも珍しくないからである。
では、筆者を含めたプロのトレーダー、すなわちトレーディングをメインの収入としている者とそうでない者では、どこに違いがあるのだろうか。
筆者はそれを、オカルトの知識の差だと断言する。
ただし、多くの場合、投資の専門家は、オカルトの知識であるという認識のないまま、それを使っているのだ。

投資家が、その知識がオカルトであるということを知らないままに使用しているもの──その代表例をまずは紹介しておこう。
フィボナッチ数列をご存じだろうか。
これは、レオナルド・フィボナッチが1202年に出版した『算盤の書』のなかで、世界を司る数字として論じたものである。
簡単に説明すると、1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13、8+13=21といった具合に、隣り合った数字の和を次々に並べていくことで生成される数列のことだ。フィボナッチは、この数列をもって世界は創られており、もっとも美しい黄金比率は1対1.618だとした。
ただし、結論からいうと、彼の説は誤りだった。なぜなら実際に生物の比率を測っていくと、この数列にあてはまらないものが8割にも達することがわかったからだ。
そもそもフィボナッチは、古代の数秘術に着目し、この数式を作りあげた。このような数秘術はその後、フリーメーソンやイルミナティが使用する。主観的な面が数秘術の論文には多く存在し、現在では数式としては正しいが、論述としては間違っているという評価を受けている。当然ではあるが、フィボナッチ数列は、学術分野への互換性はきわめて薄いといわざるを得ない。

しかし──。
科学的な根拠がなくても、フィボナッチが提唱した生物学とはまったく別の分野で、この数列はいまも使用されている。それが株式や為かわ替せ取引における移動曲線グラフの分析なのだ。
だれもが一度は目にしたことがあるであろうこのグラフは、ある一定期間に株価がどう上下したかを表している。ここに多くの情報が含まれており、それを詳細に分析するときに必ず使われるのが、フィボナッチ数列なのである。

一例をお見せすると、以下のようになる。
下の図は、ある出版社の株価グラフである。フィボナッチ数列の分析は、結果のみが曲線として出てくるのだが、昔ながらの方法で比率化すると、下の図のようになる。最安値を頂点としたとき、直近高値と直近最安値がいずれも5と6の比率になっていることがわかると思う。
これによって「隣り合った数の和である11のときに、何かが起こる」という目算を立てるのである。とくに11の場合には、次の世界へのステップと解釈される。つまり、株価が高ければ下がる。しかも、その下げは直近の最安値を超えるということまでわかるのだ。そして、次の転換点は、時間距離比率で19から23のときであることまで、このグラフからは読み取れるのである。
くり返すが、この概念はオカルト理論である。だが、投資家たちはいまもそれを使いつづけているのだ。


(月刊ムー2021年7月号より)
嵩夜ゆう
投資家。オカルティズム研究家。イルミナティカード予言研究にも詳しい。
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