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「マッドサイエンティスト集団」にも喩えられる米国防高等研究計画局(DARPA)が今、寒さを感じなくなる薬に注目しているという。そのメカニズムとは――?
10年に一度とされる強烈な寒波が今、日本列島に流れ込んでいる。24~25日にかけて各地で大雪や気温低下が予想され、路面や水道管の凍結による被害などが懸念されるほか、低体温症や激しい温度変化で血圧が急激に変動するヒートショックにも十分な警戒が必要だ。
しかし近未来、寒さによる身体の不調を人類が克服できる日がやって来るかもしれない。
海外発の報道によると、米国防高等研究計画局(通称:DARPA)が1月初旬、「極端な寒さに対する人体の回復力を一時的に高める」薬剤について研究するライス大学(テキサス州ヒューストン)のイェジー・スザブロスキー助教授(生物工学)に若手研究者賞を授与するとともに、今後も継続的に開発支援することを発表した。
DARPAといえば、国防総省(ペンタゴン)の頭脳として常人の想像をはるかに上回る最先端軍事技術の研究・開発を専門とし、「マッドサイエンティスト集団」にも喩えられるほどの“ヤバい”組織だ。今回の薬剤が完成した暁には、極寒環境における軍事作戦や諜報活動でも兵士が低体温症や凍傷にならないスーパーソルジャーと化し、個々の能力を十二分に発揮できるというわけだが、もちろん現在ウクライナ侵略中のロシアや、冬季は極寒となる北朝鮮や中国内陸部なども見据えた構想だろう。
この“抗寒薬”について、もちろん技術の詳細は明かされていないが、人体の褐色脂肪を活性化する薬剤だと考えられている。我々の身体は寒さを感じると、熱を生み出すために2つの方法を試みる。一つは体を震わせること、そしてもう一つは褐色脂肪組織(BAT)をミトコンドリアの働きによって熱に変えること。褐色脂肪は新生児や冬眠動物が豊富に持っているのだが、今回の研究は後者にアプローチする薬剤というわけだ。

「BATをより活発にする薬があれば、たった数時間で寒さに適応してパフォーマンスを向上させることができるでしょう。BATの応答を高めるために、細胞内で薬剤を狙い撃ちするべき部分を見つければよいのです」(スザブロスキー助教授)
なお、人間は病気になった時にも熱が出るが、それも体温を上昇させることで免疫を活性化し、ウイルスへの攻撃力を高めようとする同様のメカニズムが働いている。そのため、今回の研究で病気や感染症の治療にも大きな進展がもたらされる可能性があるという。
錠剤をたった一つ飲むだけで真冬の寒さも感じなくなれば、暖房費の節約にもつながり温暖化防止の観点からも好ましいだろうか。登山中の遭難時も、生存率が劇的に向上することになりそうだ。しかし、“抗寒薬”を目指すならば次はその逆、真夏でも暑さを感じない“抗暑薬”までDARPAは構想していることだろう。軍事技術が転用されて人々の日常生活を激変させた事例は枚挙に暇がないだけに、実現する可能性は低くなさそうだ。
【参考】
https://news.rice.edu/news/2023/darpa-grant-will-fund-hunt-drug-can-keep-people-warm
webムー編集部
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